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『これは王国のかぎ』の続編と知らずしても、
この本だけで独立しているので抵抗なく読めます。
読み終わって、ヒロミの過去が知りたくなったので今は『これは王国のかぎ』の方を読んでいますが、
『これは~』と比べるとこの本は登場人物のキャラクター設定が薄いような気がします。
純粋なファンタジーと、現実を舞台にした話のキャラクターを比べるなどという横着なことが許されるのならですが(^_^;)
それでも十分楽しみながら読むことができました。
自分の高校時代と比べて、羨ましがりながら、懐かしがりながら読めた一冊です。
前出の作品と打って変わって、登場人物たちはみな「現実世界」に生きる高校生たち。学園サスペンスとも言うべき作風ですが、それでも荻原さんが紡ぎ出す独特の世界観は、二次元にも三次元にも納まりきらないような気がします。読んでいて、「現実」と「非日常」を行き来しているような、とても不思議な感覚に包まれます。(私は女子校育ちなので、主人公ヒロミの感覚に近付くのに少し苦労はしましたが。)
作品に出てくる『サロメ』の解釈もなかなかワイルドで興味深いです。ちなみに、この作品によって聖書に興味を持たれた方には、聖書の中の『マタイによる福音書14:1-12』『マルコによる福音書6:14-29』を開いてみることをオススメします。(違った解釈が生まれるかも知れないので。)
確かに『これは王国のかぎ』の続編を期待して読むと肩すかしをくったような気分になってしまうかもしれません。でもやっぱり『樹上のゆりかご』は『これは王国のかぎ』の完結編であったな、とじわじわ納得してしまうのも事実です。
どうぞ「現実世界」と「非日常世界」に生きる高校生たちの心の旅路をご堪能あれ!!
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