もともと東京や横浜は外国からの玄関であったため、古写真や絵葉書も多く残されており、ゆえに、類書は数多く発売されている。しかし、どれも時間軸があいまいで、明治と昭和初期の写真が並んで掲載されていたり、いまひとつ分かりにくかった。その点、本書は「横浜」の地名の由来や「吉田新田」の成り立ち、また「太田屋新田」の位置関係など、江戸時代中期からの「横浜史」がわかりやすく解説されており、評価できる。以外とこういう説明は別の本を読まないと理解できなかったので。横浜は150年前の開港から発展したのは間違いないが、それ以前の大規模な埋め立てがなければ、今に至るまで「風光明媚な海岸」のままだったかもしれない。整然と区画整理されている中で、中華街だけなぜ「斜め」なのかも、本書を読めば理由がわかる。元町の地名の由来もわかる。横浜開港史は分厚い本と、高い写真集の読み合わせでパズルみたいに組み立てて来たが、本書があればほぼコトが足りる。開国博覧会に行く前に読むと、一層役立つかも。お勧めです。