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近頃ではスナップというと「お散歩写真」「ご近所写真」などと呼ばれることが多く、
お気楽系・脱力系写真のイメージが強いが、この「横木安良夫流スナップショット」は
珍しく硬派なスナップショット論&写真集である。
硬派なだけに、気楽なスナップ写真集だと思って購入した人は少々堅苦しく感じる
かもしれない。
しかし、現在のスナップ写真をとりまく状況と、横木氏のシリアス・スナップ・シューターと
しての考えがコンパクトにまとめられた好著である(スナップ写真も多数収録されている)。
肖像権についても紙幅がさかれている。
横木氏は普段から肖像権について積極的に発信している数少ない
プロカメラマンの一人である。
撮影実行者としての氏の具体的・実践的な指摘は気楽にスナップを撮っている
アマチュアカメラマンにもおおいに参考になる。
もっとも、横木氏の肖像権に対する考え方は私と重なるところが多く、
個人的には正直なところ特段新しい指摘や発見があったわけではない。
しかしプロカメラマンによって明晰な言葉で言語化してもらったことは心強い。
肖像権を考える際の「リファレンス」としても利用価値がある。
バーチャルな世界に包囲されている我々現代人にとって、スナップ撮影はその
バーチャルな世界に風穴をあけるリアルな眼である。
実際にスナップ写真を撮っている人に特に勧めたい。