この本に登場するのはどれも紬や麻など、いわゆる「普段着」のきもので、豪華な訪問着や留袖といったハレのきものはほとんど出てきません。(「普段着」といっても、そのどれもが今や貴重品となった織物ばかりなのですが。)けれど、そういった一見地味なきものたちが、帯や小物との組み合わせによって、さらに樋口可南子という最高にきものの似合う女性が袖をとおすことによってより強く、その美しさや魅力を見るものに訴えかけてくるのです。
本当にステキなきものの数々!何度ページをめくっても見飽きるということがありません。匠たちによって心を込めて創られたきものの底力を感じます。そして豪華なきものよりも、こういったきものに本当の贅沢を感じます。
それに、そのきものを最高に引き立た!せている小物たちの数々。これもまた目が離せません。特に草履は必見で、ある時期は草履ばかりを熱心に見ていたものです。(言うには及びませんが、その後草履を新調してしまいました。)
そう、本当にきもの好きにはこれ以上の本はない、とさえ言い切ってしまいます!もちろん可南子さんのようにこんな贅沢なきものたちを着ることは出来ませんが、きものコーディネイトのヒントや、次に買うきものや小物の指南が満載なのです。贅沢とはいえ、豪華絢爛な途方もないお値段のきものと違って地に足のついた身近さもありますから・・。
読み終える頃には間違いなくきものが着たくなるはず。そして、日本人でよかった・・、としみじみ思える本です。