他の方が書かれている通り、本書はとても「常識的」な内容です。
本書に書かれている内容は、
まともで理性的な「大人」であれば身につけているべき作法かもしれません。
しかし、自分たちは、まさにこの本書のテーマである、
不毛な「信念対立」を嫌というほど経験し続けています。
提示した理論や言説は、
何も己の信念を貫いて勝ち負けを決めるためではなく、
何のために存在しているかを常に確認しながら、
現実世界の中で練られていくものだと思います。
本書の素晴らしいところは、
この、知っている人には当たり前の思考方法を、
哲学の方法論で、かつ日常的に使われる日本語で、
説明しようしているところです。
本来、哲学や思想とは外国の難しい論者の言説を、
さらに難しい言葉を使って説明するのではなく、
現実の世界の中で、誰もが疑問に感じたり、悩んでいる問題を、
論理的に解明する試みのはずです。
(おっと、ここに「信念」が)
人は、とにかく矛盾なく機能する理論を求めるし、
一度確立した理論を崩壊される恐怖に敏感なものですが、
「俺の言う事を聞け! 俺の主張を取り入れない人間は◯◯だ!」
的な主張が世の中多すぎる気がします。
別に、そんなモノが崩壊したからと言って主張している人が
死ぬわけではありません(多少、傷つくだけでしょうか)
構造構成主義のようなプラグマティックで柔軟な思考方法を、
より多くの人が、問題解決の道具として身につけるのが、
世の中の様々な問題を解決する近道なんじゃないかと思います。
要は、「相手の身になって考えてみよう」ですよね!