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構造改革論の誤解
 
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構造改革論の誤解 [単行本]

野口 旭 , 田中 秀臣
5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)

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商品の説明

日経BP企画

構造改革論の誤解
 「構造改革論とは、思い込みに基づくある種の『妄想』である」と著者らは言う。原因はあまりにも長い景気低迷による心理的ダメージであり、日本が高度成長期以降に払拭したはずの、自らを遅れた者、世界の基準からずれた者と見なす自虐的な心理がよみがえったがごときであると指摘する。

 構造改革論者の「財政・金融政策がだめだから構造改革を」という論理は、医師が現代医療(マクロ経済対策)は効果がないからといって加持祈祷をやるようなもの、とまで言い切る。根拠として、経済学者の見地から構造改革論の誤りを具体的に検証する。

 まず、構造改革と景気回復には関係性がないと指摘。さらに、構造改革論者がやり玉に挙げる「経済の日本的システムの硬直性」も、長期的な物価下落と失業の拡大という最大の懸案とは無関係であると論じている。

 全体として構造改革の賛否を問うのではなく、現政府が力点を置く雇用制度改革などが「的外れ」であるという論理を経済学的に強調している。

 不況はあくまでも総供給に対する総需要の不足であり、「マクロ安定化」のためには財政政策、金融政策が基本となることに変わりはない、その実施策を子細に検討することが重要なのだと結論づける。


(日経ビジネス 2002/02/04 Copyright©2001 日経BP企画..All rights reserved.)

出版社/著者からの内容紹介

世上行われている構造改革に関する議論には,誤解に基づくものも少なくない.本書ではそれらのどこが「誤解」なのかを明らかにし,正しい処方箋を提示する。

登録情報

  • 単行本: 205ページ
  • 出版社: 東洋経済新報社 (2001/12)
  • ISBN-10: 4492393617
  • ISBN-13: 978-4492393611
  • 発売日: 2001/12
  • 商品の寸法: 19 x 12.8 x 2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 38,447位 (本のベストセラーを見る)
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24 人中、19人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By カスタマー
形式:単行本
 「構造改革なくして景気回復なし」、「日本型システムが冷戦終結後の世界変動に適応不全を起こしているのが現在の低迷の原因だ」、「日本型雇用システムは時代遅れ。能力主義に切りかえるべきだ」、「不良債権処理の先送りが日本経済を悪くしてきた。とにかく不良債権処理の断行なくして日本再生はありえない」、「もはやマクロ経済政策には限界がある。これまでさんざんやってきたじゃないか」、「金融だって、目いっぱい緩和している。ゼロ金利で市中に金はジャブジャブあふれているじゃないか」「今起きているデフレは、これまで高価格体系だった日本経済が国際競争にさらされて物価が下がっているものだ。構造転換に必要な良いデフレだ」、「だいたい景気が良くなると改革が進まないじゃないか」(最後は日本国内閣総理大臣小泉純一郎氏の発言)。
 こうした巷にあふれている「経済談義」をなんとなくそんなものか、と思いながらしっくりこないと感じる人、きちんと考えてみたいけど経済書はいっぱいあって、どれを読んだらよいかわからない人、ぜひこの本を読んで欲しい。結論からいえば、上のような考え方はすべて誤りであることを、この本は丁寧に、わかりやすく、そしてきちんとした経済学の基本にのっとって解き明かしてくれる。では、低迷から脱出するためにはどうすれば良いのか?この本にはちゃんとそれも書いてある。読んでからのお楽しみ。分量もお手ごろだ。
このレビューは参考になりましたか?
5 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By omr
形式:単行本
とにかく分かりやすい。分かりやすさの原点は論理の明快さにあります。

「構造改革」が叫ばれて久しいですが、たとえば道路公団の民営化(=構造改革)が、なぜ景気回復につながるのか、直感的におかしいと思う人は多いはず。そんな疑問に、マクロ政策(総需要不足に対する対策)とミクロの政策(経済効率の改善)は目的も役割も違うのだから、二つの政策の間に基本的な因果関係はない、と解き明かしてくれます。つまり、道路公団民営化は、個々の経済主体を効率化するミクロ政策であってマクロの総需要を満たすための政策ではなく、それで現実的な景気が回復はしない、ということになります(それどころか景気を悪化させることもある)。

不良債権も日本的雇用システムの崩壊もマクロ政策の失敗の結果(批判の対象は金融政策)、したがってミクロの政策や不良債権処理を進め、日本的雇用システムを壊したところで景気回復にはつながらない、とする論理には説得力があります(ただし、著者も述べているとおり「問題」がマクロ政策の対象とする循環的な景気低迷であることが前提。この点は著者も述べているとおり、循環的と見るか構造的とみるかは論が分かれる。ここを納得したい)。
いろいろな議論を論理で整理、その明快さで一読の価値あります。

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11 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By カスタマー
形式:単行本
 多くのエコノミストが賛同する「構造改革が景気回復を促す」という主張が誤解であり、一億集団ヒステリーのもとでの妄想であることが明確に論証されていく。読み進むうちにどんどん引き込まれ、構造改革論が経済学の初歩から言っても誤りであることが経済学の素人でも理解できる。

 不思議なのは、一見難しそうな内容なのにへたな小説よりずっと面白いことである。その秘密は文章力にある。言葉の的確さ、文章展開の無駄の無さに心地よさを感じる。

 それにしても著名なエコノミストたちは、彼らの構造改革論は経済学的に誤りであるという指摘に対し何を感じているのだろう。「いや、学問的にも正しいのだ」と答えられないようならば、いつまでも誤った言動で国民を扇動しないで欲しいものだ。

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