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構造主義科学論の冒険 (講談社学術文庫)
 
 

構造主義科学論の冒険 (講談社学術文庫) [文庫]

池田 清彦
5つ星のうち 3.7  レビューをすべて見る (15件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容説明

旧来の科学的真理を問直す卓抜な現代科学論科学理論を唯一の真理として、とめどなく巨大化し、環境破壊などの破滅的状況をもたらした現代科学。多元主義にもとづく科学の未来を説く構造主義科学論の全容。

内容(「BOOK」データベースより)

科学とは、客観的に実在する外部世界の真理を究めていく学問であるとされてきた。その理論を唯一の真理として現代科学はとめどなく巨大化し、環境破壊などの破滅的状況をもたらした。本書で著者は、これまで科学的真理とされてきた理論を根底から問い直すために、フッサールの認識論やソシュールの言語論を踏まえ、多様性を重んじる構造主義科学論を提唱する。あるべき科学の未来を説く必読の書。

登録情報

  • 文庫: 286ページ
  • 出版社: 講談社 (1998/6/10)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4061593323
  • ISBN-13: 978-4061593329
  • 発売日: 1998/6/10
  • 商品の寸法: 14.8 x 10.6 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.7  レビューをすべて見る (15件のカスタマーレビュー)
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カスタマーレビュー

最も参考になったカスタマーレビュー
5 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
構造主義というものをよく知らないので、どのあたりが構造主義かよくわかりませんが、これはなかなか面白い本です。
科学哲学が好きな人は、たぶんかなり楽しめると思います。

しかし、ところどころ思い出したように出てくる政治的・思想的主張はなんなのですかね(笑)。私は、ここが気持ち悪かったのでマイナス一点にしています。
あとがきに書いてあるように、「外部世界の実在性(唯物論)の仮定を排除しても、科学は立派に成立すること。」というメッセージ一本に集約してくれたらベストだったのに。

一抹のいかがわしさをうかがわせる、名著(迷著?)だと思いました(笑)。
このレビューは参考になりましたか?
5 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 石岡岩石 VINE™ メンバー
形式:文庫
 科学は(人間の主観と切り離された客観的)真理を追求するのではなく、同一性の追求をめざすものである、と先ず著者は指摘する。つまり、科学は人間精神の外にある「真理」を追究してきたつもりだったが、実は「同一性」という人間精神の中にあるものを追求する営みであった、ということなのであろう。
 
 しかし、少し考えてみると、一人一人の人間についてみれば実にいい加減としか言いようがない人間精神の営みが作り出した、例えば宇宙船やコンピュータ等々の事物が、実に設計通りの機能を発揮するようになっているのはなぜだろうか、という疑問が浮かんでくる。それは、科学の理論が客観的なものへと変わっていく構造を持っているからである、というのがこの本から読み取れることである(別の視点から観れば、宗教や他の理論はそうなっていないということだろう)。

 一般に、科学の理論は「帰納」「現象」「演繹」を基盤にしていると考えられているが、著者によれば、それらの基盤は脆弱であり、より深い基盤は「構造」にあると言っているのだと思う。例えば、「帰納」によって法則が可能なのは「一回起性の出来事」の中に予め共通な事実が含まれていることが前提されているし、「現象」が観察で可能なのは現象自体が人間精神と別に在ることが前提されているからで、「演繹」が前提している「因果関係」は、一般には自身がそこに含まれる必然性を含んでいるから論理破綻している、という様に。だが、著者が提唱する「構造主義科学論」はこれらの問題を克服出来る可能性を持っているかもしれない、と主張している。

 では、その「構造主義科学論」とは何なのであろうか。その説明として著者はいろいろな言い方をしているが、わかりやすい言葉に少しアレンジして言ってみると「外部に自存する不変な実在に根拠を置かないでも科学というものは構築できるという科学の理論」となるかもしれない。ここで、外部や自存というのは人間精神に対しての言い方で、例えば神とか自然、不変というのは普通に考えている時間が経過しても変わらないということで、実在というのは人間が在ると思っている事物や法則のこと、と考えれば大体良いと思う。

 一番短い説明は「科学理論は構造である」、一番言い当てて(コードして)いそうなのは「科学とは、現象を構造によってコードし尽くそうとする営みである」だろう。だが、これだけ読んでもなんだか分からない。分かるには、著者の理論の基底になっている哲学思想、特にフッサールの現象学とソシュールの言語理論及び後期ヴィトゲンシュタインの言語哲学の基本を理解することが必要となる。これらの哲学用語を用いると、もう少し具体的な説明が可能になる。例えば、著者は「経験によって感じることの出来るすべての何かを現象」と呼び、ここを信じて起点としている(フッサール現象学の理解が背景にある)、「シニフィエが代入された記号と記号の関係形式を一般に「構造」という」(「シニフィエ」はソシュール言語論の用語)、「科学は見えるものを見えないものによって言い当てようとするゲームである」(「ゲーム」は、後期ヴィトゲンシュタインの哲学用語「言語ゲーム」が由来だろう)、など。

 最後に、この本は科学の歴史を理解するためのとても良い教科書になっていることを紹介しておきます。科学の歴史の本には、事実や知識は書かれていても、その思想についてはあまり書かれてはいない。その理由は、冒頭に述べた「科学」に対する理解の相違にあるからだろう。しかし、この本は、「構造主義科学論」という観点を置くことによって、その知識ではなく本質に迫ることが出来るようになっている。だから、ギリシャの自然哲学から始まって、ニートン力学、アインシュタインの相対性理論、素粒子物理学、量子論、更に著者得意の生物学の分野に至るまでの科学の歴史が「ナルホドそうだったのか」、あるいは「もう少し科学を勉強してみたい」と思うように書かれている、という結果になっていると思います。
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形式:文庫
この本を読んでからもう10年以上がたちました。池田氏と養老猛氏はダーウィニズムとリチャード ドーキンスの批判をしていたので注目していた所、池田氏は、構造主義の立場から進化論を書き直すという野心的な試みをされている事を知り 本書を購入した次第です。
 リチャード ドーキンスの信奉者の声は大きく批判的な意見は目立ちません。「利己的な遺伝子」は、実際は木村中立説と群淘汰の再評価で、学問的には既に陳腐化しているハミルトンの血縁淘汰説にすぎないにも関わらず、ジャーナリズムを覆いつくす状態が続いて来たのです。一般に構造主義者は進化論には冷ややかです。 なぜなら、進化論は西洋植民地主義と人種の優越という「超西洋中心主義」を正当化した歴史を学問的に清算してはいないからです。
 構造主義は生成と機能いう現象を捨てる事によって成立した面が有りますが、進化論は機能生成論でも有りますから、話しは噛み合いません。本書も構造主義というより、新カント派的な現象学的科学論といった感じで、構造主義の生物学への導入が成功しているようには思えませんでした。
 構造主義は婚姻規則と親族の解析で文化人類学に大きな足跡を残しましたが、生物学に持ち込むにはやはり進化論が最大の障害になると思います。
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投稿日: 2009/3/25 投稿者: まさる
現代人必読の書と言ったら言い過ぎでしょうか
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