まず驚いたのは、ボーナストラックに、1994年の
ビレッジ・バンガードの大西順子で取り上げた "So long Eric" が、しかも同じメンバーによる演奏で収録されていること。まるで「聴き比べて下さい」と言わんばかり。実際聴き比べてみると、1994年のほうが安定していると思う。今回の2008年の演奏は、ヨーロッパライブ「Play, piano, play」の演奏に似ている感じがある。
<01> <07> <08> にドルフィーを持ってきている。彼女は過去に、ドルフィーを取り上げたことはないと思う。アルバムの第1曲目にドルフィーの「Out to Lunch」の第1曲目を持ってきたのは、アルバムのコンセプトをむしろ曖昧にしているような気がするが、その印象は私の主観に過ぎない。<2> が、ビリー・ホリデイのコモドア・レコーディングに入っている有名ブルース。<9> が、プラターズのヒット曲。余裕かまして遊んでいるのか。
<2> <5> <9> はピアノソロ。<2> <5> は同じ作曲者によるナンバー。
<3> <4> <6> はオリジナル曲。とくにタイトルナンバー <6> は作曲、演奏ともに充実している。
総じて言って、大西は完全復活したと思う。彼女のテクニックが衰えていないのは、彼女が活動休止期間も練習を怠っていなかった証であると思う。
大西がカムバックしたのは、ジャズ界にとって大きな喜びであり、またショッキングな出来事でもあろう。というのも、黒人音楽をまともに演奏できる新人ピアニストが、いまの日本のジャズ界にはほとんど存在しないからである。大西には今後もコンスタントに活動を継続して欲しい。
ジャケット写真は吉祥寺のサムタイム。
追記
Gene Jackson のドラムがうまい。