私にとって最初の宮城谷作品であり、三国志より古い中国歴史小説もこの「楽毅」が初めてです。 既に前3巻を読み終えた方々がこのレビューを読むのですから、細かい説明は抜きにして「最後まで凄かった!」の一言に尽きます。 著者が持つ、歴史の断片を繋ぎ合わせる驚異の想像力と、興味尽きない人物造形の妙をたっぷり堪能。
本を読んで得たことを人生の知恵にすべきですが、自分を省みることもなく最後まで一気読みでした。
巻尾で秋山駿氏が織田信長に絡めて解説していますが、微小ながらも展望の火を消さずに生き抜いた真田昌幸親子を私は連想しました。 全ての読者が、それぞれの英雄像と比較しながら楽しめると思う。
少し残念なのは楽毅がこの世を去ると、物語りもそのまま終わってしまうこと。 共に苦楽を生き抜いた丹冬や、両親との関わりを知っている田単が、楽毅への思いを語ってくれたら、私は涙を流して読了できたかもしれません。