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24 人中、22人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
「模倣犯」から9年、「楽園」という題名の意味はやはり最後にわかる,
By くま (東京) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 楽園〈上〉 (単行本)
「模倣犯」から9年後。「あの事件」の呪縛から逃れようとしている、
フリーライター前畑滋子を描くスピンオフ作品。 いつもタイトルが秀逸な宮部作品だが、「模倣犯」と同じく 「楽園」というタイトルの奥深い意味は最後にわかる。 ここで書くとネタばれになるが、 その部分の宮部氏の文章は、呼んでいて鳥肌がたつほどの迫力だ。 こうした宮部節は作品の随所にいつもある。 人間に対する鋭い洞察力、対象をその瞬間だけ遠くに突き放した結果得る 残酷なほどの人間の持つ現実の姿。 編集者は本の帯に書くキャッチコピーに困らないだろうなといつも思う。 宮部氏の作品の例にもれず、冒頭の数行を読んだだけで虜になってしまった。 とうとう深夜までかかって上下巻読了。 ストーリー展開と人物描写のうまさもさることながら、 陰惨な事件の中でも作者の暖かな目線が読んでいてホッとする。 先日お話した、ひとり息子を亡くした53歳の女性が、 愚直すぎるほどの人生の中で掴み取ったものを最後に昇華させる展開は本当に見事。 人間の持つ、はかりしれない可能性、強さやかしこさは、学歴ではなく、 どう人生を生きてきたかで決まるのだと痛感する。 そして、最後に本当に爽やかなエピソードが残されている。 これはこの作品に、奥行きを与えていると思う。 「模倣犯」を呼んだ人も、読んでいない人も、「楽園」は楽しめると思う。 しかしこの本を読んだら「模倣犯」を読まずにはいられなくなることは確か。 お奨めです。
52 人中、46人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0
9年後の前畑滋子,
By
レビュー対象商品: 楽園〈上〉 (単行本)
あの「模倣犯」の正体を暴いた前畑滋子が帰ってきた!
小さい字が見にくいと老眼鏡を取り出す前畑さん, ・・・うーん。9年の年月経過がリアルににじみ出ていてちょっと哀しい。 一軒家の床下で16年間発見されずに眠り続けた美少女の死体と 超能力でそれを「見た」愛くるしい少年。 ・・・とくると,なにかワクワクしそうな物語の始まりですが, 実際のところ,今回,前畑さんが夢中になってる事件は, 模倣犯のような猟奇的殺人でもないし愉快犯的なものでもなく, ある一家の暗い過去にまつわるものです。 ですので,見ようによっては, 前畑さんが普通の家庭の暗部を根掘り葉掘り暴いているようにも見えて 前畑さん,そこまでしなくてもいいんじゃない,と声をかけたくなることもありました。 また,前畑さんの必然でもない単なる推測が何故かビシビシ的中するのも ちょっと強引な感じがしました。 相変わらず,登場人物一人ひとりの人物像を丁寧に書き込んでいて 宮部みゆきさんらしいなと思いましたし, 上下巻あっというまに読み終わりましたので退屈というわけじゃないのですが 感想として,面白かったかと聞かれると,そうでもない。 「模倣犯」には遠く及ばないし, 超能力を扱ったものとしてみても, 「蒲生邸事件」のようなファンタスティックな色合いもなく, ちょっと残念でした。
45 人中、38人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0
コンスタントな実力はあるが,
By まあさ (京都府) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 楽園〈上〉 (単行本)
誤解無く断っておくと、私は宮部みゆきファンである。ほとんどの作品はよんでいる。これについては連載中は読んでないからわからにけど、これは冗長すぎる。火車・理由・模倣犯のときの絶頂感、期待感をもつと残念となる。どうしようもないものを抱えて人は生きている。それを語らせるとうまいけれど、名も無き毒あたりから少しパターン化してないか?SFあり、推理あり、時代物あり、平成の松本清張と言わしめて異論はないと思っていた。おつきの編集者さんしっかりね。
多くのコメントにあるように模倣犯を読まないと少しピンぼけになります。 思わず買いましたが、きっと宮部さんのことだから文庫にもなるだろうけど、 ブックオフにも宮部さんの本が105円で並んでいることはまずない。 そういう読者の期待感を、抱かせているのに、今回は斜陽感がいなめなかった。
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