あきれたぼういず。
その名前はあまりにも有名で、聞いたことはあった。
川田晴久、益田喜頓、山茶花究、坊屋三郎・・・と各々の活動も少しは観たり、聴いて、知っている。
本人たちが動く姿も目を瞑ると、アリアリと浮かんでくる。
だが
"あきれたぼういず"
そのものに触れたこと(=聴いたこと)は今まで無かった。
だから、何の気なしに聴いてみようかと買った、
このCDアルバムが、私にとって初めてのあきれたぼういず体験。
再生して、驚いた。
開いた口がふさがらなかった、腰を抜かした、目がテンになった。
何なんだ、このサウンドは。
ブッ飛んでいる。
戦前・戦中の、それも日本の音楽なのか?笑いなのか?
耳を疑った。
半ば信じられない、でもそうなのだ。
65年以上前の作品が大半なのにもかかわらず、これがなまじっか今、テレビで流れるお笑いよりも
ずっと面白いし、ハイレベルなことをやっている。
漫才的やり取りと、高い演奏技術の裏打ちがあるコミカルなサウンド。
どちらを取っても、古びているどころか新しい。
特筆すべきは、収められた音源の素晴らしさだけでは無いのだ。
音源のやり取りや使用されている音楽までしっかり網羅し活字化されていたり、かなり詳細なディスコグラフィや解説がブックレットとして添えられており、これだけでも充分読み物として出せるハイレベル。
そして、もうひとつ付け加えたいのは、(あくまでSP盤であることへの留意は必要だが)、この時代の音源としては最大限までに音質へのこだわりがなされていることである。
日本にかつてこんな素晴らしいエンターテインメントが存在した証が、そしてそれらをリスペクトする者の熱い魂がこのアルバムには詰まっている。
自分の古いものへの認識が、またひとつ変わった。
ありがとう。