多くのヒトにとってそうであるように、RCサクセションの音楽はあまりにも自分に深く根ざしていて、冷静に語れない部分があるのですが・・・・。
このアルバムはファースト・アルバム「初期のRCサクセション」から僅か数ヵ月後にリリースされたセカンドですが、ファーストと随分異なった印象です。例えばファーストの「春が来たから」「ベイビーもう泣かないで」などは今から見るとキヨシローらしからぬ「ごくありきたりの普通の言葉」を使ったラブソングでしたし、また「この世は金さ」「言論の自由」「シュー」などのに見られるどことなくわざとらしい開き直り・露悪的な態度・虚勢は、強く幼さを感じさせました。サウンドも、スタジオ・ミュージシャンによるもののようですが、フォークともロックとも呼べない小奇麗で中途半端なもので、「国立市中区3-1」ではバンジョが全然RCサクセションらしくなく、「国王ワノン一世の歌」では不自然なテルミン?のオトがはっきり言ってこの名曲を台無しにするなど、ツメが明らかに甘いものでした。
こうしたデビュー・アルバムに顕だったバンドの欠点が、同じ年に発表された本作品に見られなくなっているのは、殆ど感動的ですらあります。オトはごつごつしてますが生ギターを中心に違和感なく統一され、また生ギター一本の部分までもキョウレツにロックしてます。キヨシローは「自分の言葉」を自在に操り、時にはふてぶてしく、時には逆説的に、またある時には驚くほどの素直さで、ぐさりと聴くものの心の奥の方をえぐります(「去年の今頃」と繰り返すだけでなんでこんなにツライんだろ !? )。このアルバムで聴かれる世界は既に、最後まで「男の子」と「"男の子"に憧れる女の子」の心を捉え続けた、RCサクセションの独自の世界でした。
とにかく、このアルバムは10代の男の子にこそ聴いて欲しい。「きれいな歌詞」の歌なんて掃いて捨てるほどあるけど、こんなに強いちからを持った歌詞なんて滅多にありません。がつんと、打ちのめされてください。