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楽しいナショナリズム
 
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楽しいナショナリズム [単行本]

島田 雅彦
5つ星のうち 4.3  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「MARC」データベースより)

一筋縄ではいかない「ナショナリズム」。上手に楽しくナショナリズムにかまける方法を模索しよう。米グローバリゼーションから日本を解き放つための、 サヨク文学者のナショナリスト宣言! 『サンデー毎日』連載を単行本化。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

島田 雅彦
1961年東京生まれ。東京外国語大学ロシア語学科卒。在学中の83年、『優しいサヨクのための嬉遊曲』で作家デビュー。本書『楽しいナショナリズム』刊行の2003年、作家生活20周年を迎える。84年『夢遊王国のための音楽』で第6回野間文芸新人賞、92年『彼岸先生』で第20回泉鏡花文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 単行本: 231ページ
  • 出版社: 毎日新聞社 (2003/04)
  • ISBN-10: 462031630X
  • ISBN-13: 978-4620316307
  • 発売日: 2003/04
  • 商品の寸法: 18.8 x 13 x 2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.3  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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形式:単行本
「サヨク」を自称する島田雅彦氏ですが、この本は日本の右翼民族派団体一水会の機関紙「レコンキスタ」で絶賛されていました。もっとも著者の主張は一水会の主張とはかなりちがっているように思いましたが。

冒頭で、「ナショナリズムは諸悪の根源である」という大江健三郎の(そして、いわゆる「戦後民主主義の)考え方への疑義が呈され、「ナショナリズムは誰もがかかる生活習慣病」と割り切った上で「上手に楽しくナショナリズムにかまける方法を模索」しようというのが、著者のスタンスです。同時に、日本の新しいナショナリズムの形を示そうというかなり野心的な意図も見えます。色好みのナショナリズム、退屈しのぎの日本文化、トランスナショナルな天皇制(天皇の雑種的出自)、戦争反対愛国主義、世界に発信すべき日本のナショナリズムのありかたが、歴史との対話を通じて検討されています。そこには「強い国家をアピールすることだけがナショナリズムではない」というメッセージがこめられています。今、日本のナショナリズムを再考することが重要になってきていると思います。特に切れ味の鋭い本という感じはありませんが、賛成するもしないも、一読の価値はあります。

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10 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By daepodong VINE™ メンバー
形式:単行本
 随所に表れる著者の皮肉が何とも強烈で笑える。実に面白い本なのであるが、反面「笑える、面白い」と思う読者はこの本を読む意味がない、ということも確かだ。小泉自民党大勝後、島田雅彦の主張がむなしく響いてしまうこともまた事実である。残念だが、本当にこの本を読む必要がある人間は、きっと手に取ることもないだろうし、皮肉はイヤミに響くだけだろう。
 さて、ではどうすればいいのだろうか。ここでは「サヨク」にも「ウヨク」にも参考になると思われる著者の主張を紹介しておこう。それは日本の伝統文化について述べたくだりである。日本文化のひとつの知恵として、「退屈に耐える」「退屈を楽しむ」という技があったことを著者は紹介する。能や狂言などもそうだとわたくしは思うのだが(ちょっと違うか)、例えば東京の伝統的な鰻屋で、客の注文を受けてから焼き始め、でき上がるまで日本酒を飲みながらじっと待つ、などという「美意識」も効率を重んずる現代の価値観とは相入れないものだろう。
 著者の政治的な主張はさておき、われわれはあまりにも「ムダな時間」は「死んだ時間」である、とする資本主義の価値観に毒され過ぎているのではないだろうか。そこまでは著者ははっきりとは書いていないが、「時間を潰す」「退屈な時間を耐える」ことの必要性、重要性は、バートランド・ラッセルも「幸福論」で指摘していることだ。ここでの著者の主張をもう一度我が身に振り返って考えてみるのもいいだろう。
このレビューは参考になりましたか?
形式:単行本
とても楽しく読めた。雑誌の連載を書籍化したものなので、各々の章が短くサクサク読み通すことができる。難しく考えてしまいがちなナショナリズムという言葉に「教育」「スポーツ」「性」「食」などを結びつけ、皮肉を交えながらも時折鋭く核心をついていく。例えば「性とナショナリズム」では、「寝取られ男になりはしないかという恐怖がナショナリズムの根底にある」という具合に。また日本のナショナリズムの傾向を見ていくことは、そのまま日本文化論の分析にも通じる。評論として古今東西の日本の歴史や文化をきちんと踏まえているので、その方面に対しても参考になる。

2002年の出版なので、時評としてイラク戦争の批判を片手に、アメリカ的な価値観については正面から批判をしている。もちろんそれに盲目的に追従する日本政府に対しても。著者はそれこそが愛国であるという立場をとる。といっても「個人的にマクドナルド不買運動を続けている。それが私のささやかなアメリカへの経済制裁である」としっかりくだけているのがいい。最後に、快楽追求がないから戦争にはしるとして[NO WAR.MORE PLEASURE.]、つまり強迫観念に陥る戦争より理性の働く快楽の大切さを掲げる。それはネットワークの発達した現代社会において、それを利用して単純に戦争に訴えようとする者へ大きな一言である。
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