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冒頭で、「ナショナリズムは諸悪の根源である」という大江健三郎の(そして、いわゆる「戦後民主主義の)考え方への疑義が呈され、「ナショナリズムは誰もがかかる生活習慣病」と割り切った上で「上手に楽しくナショナリズムにかまける方法を模索」しようというのが、著者のスタンスです。同時に、日本の新しいナショナリズムの形を示そうというかなり野心的な意図も見えます。色好みのナショナリズム、退屈しのぎの日本文化、トランスナショナルな天皇制(天皇の雑種的出自)、戦争反対愛国主義、世界に発信すべき日本のナショナリズムのありかたが、歴史との対話を通じて検討されています。そこには「強い国家をアピールすることだけがナショナリズムではない」というメッセージがこめられています。今、日本のナショナリズムを再考することが重要になってきていると思います。特に切れ味の鋭い本という感じはありませんが、賛成するもしないも、一読の価値はあります。
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