「こんど地方に旅(もしくは出張)するけど、その土地ならではの美味しいものが食べたいなあ」という旅人の(もしくはサラリーマンの)普遍的な需要に、ド・ストライクで応えているのが本書。
まずもって企画が素晴らしい。2泊3日の旅をすると、昼・夜/朝・昼・夜/朝・昼と「7食のチャンス」がある!...という発想自体が、徹底したリアリズムに裏打ちされた「くいしんぼう」のものだ。朝飯さえもオロソカにしないという貪欲さが素敵。
ひとつの都市の「食」をむりくり「7チャンス」に絞り込み、その「7チャンス」で「地域の食文化」を大掴みさせようという大胆さが嬉しい。「たくさん美味しいものがあるよ〜」という情報過多なガイドは、かえって迷いを生むだけである。一般人は、同じ地方にそう何度も行く機会があるわけではない。その数少ない機会のために、「とにかくココでコレを食え!」という濃厚エキス化された情報が必要なのだ。
本書は、そのエキス抽出過程を洒脱な文章で解説し、「旅エッセイ」「食エッセイ」としても楽しい。軽い気持ちで読み始めたら、一気読みしてしまい、今度は「次の旅(出張)候補はどこだ?」という視点でニ読中。実用書としてのデータも充実している。この本片手に、旅に出たくなること請け合いである。…もしくは出張に。
課長、来月、仙台行っていいっすか?