デビューから読んでるが、はっきり言って画力は進歩がない。
この絵だからこその味わいも承知の上だが、如何せん読者を選んでしまうのが歯がゆい。
すごくいいのにな。
水面に雫が落ちた瞬間、お話は終わって、以後の波紋の広がりは読者の想像に任される。
どのお話も、ラストがとても印象的。
そんな短編で畳み掛けて、人魚だけは連作。
月の満ち欠け、輝く銀鱗。
それは愛かと問いかけるけれど、愛ですよ。疑いの余地はない。
※カニバ(おもに眼球、腕)描写あるので苦手な方は回避推奨。
女郎蜘蛛の話が個人的にスマッシュヒット。カラー口絵にもなってる。帝国軍将校×その囲われ者。
ベタなネタなのに、短い頁にツボがぎゅっと濃縮されてて美味しかった。
身分差、学生時代の短い道行、再会、借金のカタ、想いを告げずに別れの逢瀬・・・
客観的にはたぶん絶対幸せになれそうにないのに、この瞬間だけは涙が出るくらい幸せ。シンクロしちゃった。
タイトルにもなっている極東追憶博物館には手首切断未遂の流血シーンあり、これも苦手な方は・・・(以下略)
静かな物語の最後にそのむちゃくちゃな行動を起こす衝動があまりに情熱的で、興奮した。
こうしてレビューすると自分がどんなにこの本を気に入ったのかわかってしまうのがちと恥ずかしい。
何度読み返してもグッと来る。お薦め。