単行本、文庫本、極厚と三種の蒼天航路を買うことになってしまいました。
蒼天航路は熱心なファンも多いが批判する方も多いと聞きます。演義を持ち出して批判する方は是非とも正史を読んでいただきたいです。
正史は注釈として「〜という話しもある」と複数のエピソードを列記したり、注主の陳寿や裴松之が「私はこのように思う」「私は〜というのは嘘だと思う」などという書き方で書かれています。正史においても伝聞であったり、いろんな著作からの引用であったり、その伝聞や引用を編集時に批評したりと、「真実の集大成」ではなく、出来うる限り真実に即して書こうとされたでしょうが、「かも知れないの集大成」であり、読み手に判断をゆだねる部分を有していることが理解できます。
「〜かもしれない三国の物語」ということにかけては、正史も蒼天航路も同じ「三国志」であり、演義や正史を引き合いに出して卑下されるべきものではないと思います。
「正史」「演義」「蒼天」それらに本物も偽物も史実も史実でないもありはしないと思うのです。
私は個人的に横山氏の三国志と比すれば蒼天航路のほうが格段に面白いと感じます。それは横山氏の三国志が演義をなぞって描かれているのに対して、蒼天航路が曹孟徳をはじめ三国志を生きた人間達を描こうとしているからだと思います。武将達の「人」を描くために味付けされた個性が読み手を引きつけていくのだと思います。
蒼天航路未読の方には一読を勧めたい、三国志という物語ではなく、三国志を彩る「人間」の生き様にドキドキワクワクしていただきたい。蒼天航路は必ずや未読の皆様の期待を裏切らない三国志だと思います。