コミック化、アニメ化もされた人気シリーズ「フルメタル・パニック!」の外伝的な本でして、3話収録されているうち2話で、<トゥアハー・デ・ダナン>の両翼を支えるアンドレイ・S・カリーニンとリチャード・マデューカスの中年二人がそれぞれ主役を張っております。
何しろ陣営の東西、陸軍と海軍など、出自は違えど、謹厳にして現実主義者、天才には至らぬまでも軍隊で必要とされる才能を持ち、努力を重ね、そして多少の運にも恵まれて現在の地位を確立した男たちが主役です。当然ストーリーも華々しさの要素はほとんどなく、むしろ地味なイメージがありますが、その分重厚で地に足の付いた、味のある文章となっていますから、今までにないフルメタの世界を楽しめることでしょう。また、カリーニンと宗介、マデューカスとテッサの出会いも作中に描かれてますから、フルメタを知る上でも見逃すことはできません。
そしてこの二人の話の後には、短編集でもおなじみ宗介のずれまくった行動とかなめのハリセンが炸裂するドタバタなストーリーで、肩の力を抜いて読める話ですから、口直しにはよろしいかと思います。