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極光のかげに―シベリア俘虜記 (岩波文庫)
 
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極光のかげに―シベリア俘虜記 (岩波文庫) [文庫]

高杉 一郎
5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

敗戦後,著者は俘虜としてシベリアで強制労働についた.その四年間の記録である.常に冷静さと人間への信頼とを失わなかった著者の強靭な精神が,苦しみ喘ぐ同胞の姿と共に,ソ連の実像を捉え得た.初版(一九五〇)の序に,渡辺一夫氏は,「制度は人間の賢愚によって生きもし死にもする.それを証明されたように思った」と書いている.

内容(「BOOK」データベースより)

敗戦後、著者は俘虜としてシベリアで強制労働についた。その四年間の記録である。常に冷静さと人間への信頼とを失わなかった著者の強靭な精神が、苦しみ喘ぐ同胞の姿とともに、ソ連の実像を捉え得た。

登録情報

  • 文庫: 362ページ
  • 出版社: 岩波書店 (1991/5/16)
  • ISBN-10: 4003318315
  • ISBN-13: 978-4003318317
  • 発売日: 1991/5/16
  • 商品の寸法: 14.8 x 10.6 x 1.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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形式:文庫
著者は、帰国後大学教授(静岡大学、和光大学)として教鞭をとっているわけですから、いわゆるインテリゲンチャーです。だからというわけではありませんが、あとがきに「真実を真実として伝えよう」という意思を感じます。文章は、感情的にならず、客観的に押さえられていて、読む側としては、逆に引き込まれてゆきます。些細な出来事も多かったはずですが、それには、言及していません。人とのふれあい、俘虜生活のながれなど、俘虜としての生活が非常にわかりやすく描かれています。会田雄次の「アーロン収容所」と双璧をなす俘虜記といえるでしょう。最後に、民主化運動として俘虜の間に広がった些細な自称に対する「批判と自己批判」「つるしあげ」に遭遇したロシアの老大佐のことばは、今の日本人が読んでも身につまされるのではないでしょうか。いまこそ、大局を見なければいけないと痛感いたしました。
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形式:文庫
 シベリア収容所体験記としてはソルジエニーツインの小説「収容所群島」があまりにも有名だが、我が国で「収容所群島」が出版される20年も前に「極光のかげに」が書かれたことは十分注目していい。著者高杉一郎は出征前、横浜事件で知られた「改造社」の編集員だった。活動家ではなかったが、大学時代からマルクスはじめ左翼思想に精通しており、シベリア収容所に送られた時、スターリンの共産主義に最初から批判的だったわけではない。「極光のかげに」でもできる限り先入観をさけ、感情的にならず、冷静な観察に努めている。それゆえにと言うことであろう。シベリア抑留の過酷さやスターリン治世下のソ連体制の矛盾がおのずとにじみ出る作風となった。。
 高杉一郎は後にこう書いている。
 ”俘虜生活からようやく解放されて日本に帰ると、私はシベリアで経験したことや見聞きしたことを『極光のかげにーシベリア俘虜記』という一冊の本に書いた。風にそよぐ葦のような小さな人間の経験にすぎなかったから、私はできるだけひかえめに、遠慮ぶかく書いたが、それを読んだあるコミュニストは私にむかって「偉大な政治家スターリンをけがして、けしからん。こんどだけは見のがしてやるが」と、まるでオリュムポス山上に宮居する主神ゼウスのように高圧的な態度で言ったし、新日本文学会の系列下にあった「東海作家」という文学団体は私をコーラス・グループの練習場であるバラックに呼びだして集団的なつるしあげを加えた。彼らの罵声を浴びながら、私はストロングの言う「スターリン時代」とスターリニズムのひろがりは、日本の世論までもこんなにがっちりとカヴァしていたのかとあきれた”(わたしのスターリン体験)
 この高杉に向かって「偉大な政治家スターリンをけがして、けしからん。こんどだけは見のがしてやるが」と、まるでオリュムポス山上に宮居する主神ゼウスのように高圧的な態度で言い放った「あるコミュニスト」とは、宮本顕治であったたことを後に高杉は証言している。
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鎮魂歌 2010/8/28
形式:文庫
 スターリン体制下のシベリア俘虜記ということで私のような若い世代の者には重々しく暗い時代の証言という先入観があり、手に取る前にちょっと敬遠するところがありましたが、いざ読み始めてみると、著者の思考が非常に洗練されていて、感動を覚えずにはいられませんでした。本書の解説文にあるように、”常に冷静で人間への信頼を失わなかった強靭な精神”の持ち主で、戦時中の日本人にもこのようなハードインテリジェンスを持った人がいたということに大変驚きました。情報が氾濫する現代、ただ感情的になって批判するのではなく、どんなに苦しい状況になっても、自分の人生に対して誠実に生きていれば必ず光明は見えてくる、ということを教えられたような気がします。
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