表題作『影姫』は、秋田サンデーコミックスやACセレクト版では、「鬼姫」と改題されて長く親しまれてきた作品です。今回はオリジナル版ということで、本来の「影姫(1967年・約180頁)」というタイトルに戻されました。久しぶりの復刻で大変喜ばしい。
生来残虐な気質を持ち“鬼姫”と呼ばれる奈津姫の“影”として、顔立ちのよく似た村娘の志乃が城に買われてきます。そして志乃は鬼姫として振舞わされるうち、内面にまで変化が現れはじめ、ついには本物の鬼姫を牢に閉じ込めてしまう…
『うろこの顔(1968年・約225頁)』、以前は「こわい本・蛇2」等に入ってました。楳図先生の妹役で、魔子ちゃんというキャラが登場するのが面白い。漫画家の兄のため、奇怪な話を集めるのが彼女の仕事です。その魔子ちゃんの元に、陽子という少女から助けを求める手紙が届きます。その手紙には、陽子の義姉である久留美のものだという鱗が同封されていた他、彼女の陽子に対する不気味な行動の数々が記されていた…!
完成度が高く、絵も緻密で恐怖感が非常によく出ています。中でも陽子が鏡の前に立ち顔の皮膚を剥がす場面は、恐ろしくも美しい名シーンです。
長編2本の構成でどっちも水準以上。特に「うろこの顔」は、隠れた名作かも。この巻は少し高いけど、その分いつもより70頁ほど分厚いです。
「影姫」
「うろこの顔」