「赤んぼ少女(1967年・約165頁)」は初期の代表作の1つで、タマミちゃんは楳図作品屈指の名キャラクターです。彼女は生まれてからずっと体の大きさは赤んぼうのまま。残忍で、牙があるなど普通の人間ではない。父親は彼女を憎んでおり、世間から隔絶して育てられています。母親の方は溺愛しているのだが、半ばおかしくなっている。
生後すぐに生き別れた妹の葉子が、家に引き取られて来る所から物語は始まります。美しい葉子へのねたみからくる、陰湿で凄まじいいじめ…。ですが、本作の根底に流れるのは、異端の者の孤独と悲しみです。そのように生まれついてしまった彼女の不幸を思うと…
作品自体は現在パーフェクション「赤んぼ少女」でも読める他、以前も1.角川ホラー文庫「赤んぼう少女」、2.「楳図かずお恐怖劇場(1985年版のみ。My First Big SPECIAL版には未収録)」「恐怖劇場1(前者の普及版)」等、多数の本に入っていました。なので☆は4つにしたけど、おすすめの作品です。
1は「黒いねこ面」と「怪談」も収録。「怪談」とは、オリジナル版「悪夢」収録の「楳図かずお先生の怪談」と同じものです。2は「蟲たちの家」「蛇」「ねがい」「うばわれた心臓」「絶食」を収録。初めて買う人は、ニーズに合わせてどれにするか選ぼう。
「死者の後進(1967年・約62頁)」は、孤島での撤退戦における心理ドラマ。出来は普通くらい。「まぼろしの蝶(1968年・約30頁)」は一種の雪女もの。アイデアに工夫のある、ちょっとロマンティックなお話です。文庫版「洗礼」の第4巻に収録。「ねむり少女(1964年・約96頁)」は非ホラーの少女漫画で、今読むには少々厳しい。
「赤んぼ少女」
「死者の行進」
「まぼろしの蝶」
「ねむり少女」