「楳図かずお先生の怪談(1966年・約80頁)」は「悪夢」「鬼ばば」「とりつかれた男」「人食い雪」の全4話(第4話は2回分ある)からなる連作短編です。シンプル過ぎるきらいはあるが、「鬼ばば」と「人食い雪」はまずまずの良作じゃないかな。作品自体は文庫版「赤んぼう少女」でも読めます。
「ミイラ先生(1967年・約175頁)」は和製ゴシック・ホラーです。「聖白バラ女学院」の地下に安置された女性のミイラが蘇生して、まんまと先生の一人になりすまします。そしてミイラは女生徒の絵美子の美しさに目を付けて、血を吸おうと付け狙う…。ファン向けの古典的作品ではあるが、もう長いこと小学館クリエイティブでしか読めない状態だったので(しかも2冊に分割)、この文庫化でまた気軽に買えるようになって良かった。
「木の肌花よめ(1967年・約32頁)」は黒部家のあや姫に、庭に植えられた松の巨木の呪いがかかるという怪談話です。これは正直少し弱い。
個人的には、「人こぶ少女(1967年・約43頁)」がこの本で1番好きです。人の醜い心が、肉体にまで異変をもたらすというテーマの名作。アグリが優子に、頬の醜く大きなこぶを伝染そうとする手段が恐ろしい。主人公の優子ちゃんはまるで女優さんみたいに美しいです。直近では、秋田書店発行の「怪」に組み込まれてました。
<楳図かずお先生の怪談>
「悪夢」
「鬼ばば」
「とりつかれた男」
「人食い雪」
「ミイラ先生」
「木の肌花よめ」
「人こぶ少女」