本書は財務分析を切り口とした経営改善のテキストである。経営改善に関する書籍は多数存在するが、本書の特長は「財務分析と事業分析を一体的に捉えている点」である。経営コンサルティングには、財務分析、事業分析、組織マネジメント分析などの手法がある。本書では、財務諸表の数値は「事業の結果」であるというところからスタートし、その原因である事業や組織の分析に繋げていく。改善策の策定では、事業や組織の改善を行った結果、改善効果として、財務諸表の数値がどうなるかというストーリーが展開されており、紙上で経営コンサルティングの流れを把握できる点が醍醐味である。また、随所に登場するコラムでは、著者からのメッセージが凝縮されており、まさに現役コンサルタントならではの視点が大変参考になる。中小企業の経営コンサルティングに関心がある方には、ぜひお勧めしたい文献である。