いよいよ、三巻にしてようやく楊令が梁山泊に頭領として帰ってくるというのがこの巻のハイライトです。
北では金が遼へと電撃的侵攻作戦を展開し、南では呉用が潜入中の組織が宗教を用いた叛乱軍として宋に叛旗を翻し、そのうえ宋上層部内では権力闘争が繰り返されるという混沌として先行きが見えない戦乱の中、「楊令伝」主人公の楊令がいよいよ梁山泊に戻り頭領に就任します。
歴戦の勇者である梁山泊の生き残りたちが、ひたすら待ちに待っていた彼は、その期待を裏切らない存在感を見せつけます。その一方で実質的には頭領ように梁山泊の頭脳として動いていたが皆に嫌われていた呉用が、潜入先でちょっとおかしな事になっていきます。どちらも誰もその代わりをできない存在ながら、どういう風になっていくのか。「水滸伝」と違って、先行きがわからないぶん、ドキドキワクワクしながら毎月のお楽しみにこの文庫版を読んでいます。
男達のひたすらに熱いドラマ、前作以上にスケールアップで先行きの期待感も大です。