主人公の由布院くんは、お客様から見れば完璧なまでに優雅なギャルソン。しかし、実はお客様にはとても見せられない情けない一面があって、コンプレックスを抱えている。
「克服したいけど、怖い」そんな葛藤を抱えながら、ギャルソンとして健気に頑張る姿が、また美しいと思う。時折見せる、魅惑的な仕草にもドキッとさせられた。イケメン揃いの店員さん達もさることながら、ヒロインをはじめ女性キャラも可愛らしくて非常に好感が持てる。
レトロな和風家屋を店に改築している「椿館」自体の雰囲気も、どこか懐かしさや暖かみを感じられる。そこで、女心をくすぐる優雅なギャルソンに、スイーツや紅茶でおもてなしを受ければ、それは身も心もときめくことだろう。cafe椿館が実在するなら、ぜひ行ってみたい。いや、むしろ通いたい。
そして、今後は由布院くんを取り巻く環境や人間関係はどう変化していくのか、彼がコンプレックスにどう決着をつけていくのか、彼の過去は明かされるのか、などなど、続きが気になるところ。
自分はWebで一読してはいたものの、コミックスとして通しで読んでみるとまた趣きが変わるので、買って良かったと思う。ただ、ひとつ残念だったのは、この作者はカラーが非常に美しいのに、コミックスでは扉絵が省略されていこと。イラスト集などが出るならぜひ収録して欲しいと思う。
とはいえ、まさに「優雅なひととき」を、楽しませていただいた一書である。