絵柄は文句なしに美麗。
著者は現代ものも描かれていますが、歴史や文学に驚くほど造詣が深い方なので
それらを生かした作品に特に傑作が多いです。
「椿姫」:デュマ・フィス原作のオペラをモチーフに、
歌手とピアニストの二人を描く。
時代設定は19世紀から20世紀初頭を思わせるレトロで優雅な雰囲気。
音楽家同士の意地とプライドのために、
美しいものを求める執着と秘め隠された恋とが不協和音を奏でる…。
限りなく切ない想いをこめて響く歌が素晴らしい。
「ハーレム」:ナスターシャ・キンスキーの映画を思い出しました。
本物のアラビアンハーレムが舞台です。
「フォルテュナ」:タイトルロールであるフォルテュナが何とも言えず美しい。
個人的には雑誌掲載時の方が好きでした。
「死の商人」:コメディタッチの会話が特に可愛い。
ファンなのでこれからも欠かさず読むつもりですが、
コミックス化する時に、加筆修正というよりほとんど別バージョンになってしまうことが。
短編が上手い人だけに、そこだけがいつもちょっと…。
掲載誌を探して読み比べてみると参考になるかと思います。
それにしても、同・芳文社刊アンソロジー収録の「僕のジュリエット」は
何故いまだにどこにも収録されないのでしょうか?良い話なのに。