「男前ないい女」が死ぬほど好きです。
1巻が中々手に入らず、この度ようやく1・2巻セットで購入できヒャッホウと読み進めました。
良い意味で期待を裏切ってくれますね。
キリッとした艶っぽい年齢不詳の美人が八面六臂の大活躍、というのとは少し違うんでないかい?これ。
椿さん、眉目秀麗で家事万端その他諸々完璧以上にこなしますが、ハッキリ言って「変人」です。メーター振りきっています。
けどそこがイイ。
(1巻の巻末オマケ漫画「ちびつばき」で、幼女のドジっ子ツバキちゃんが普段とは逆に一生懸命に空回りして周囲のフォローに助けられている姿が描かれています。これもハートウォーミングで面白く、作者自身この路線の方が売れるであろうことを承知した上で、敢えて奇特なキャラクター「椿さん」で勝負している事が察せられます)
まだ、1巻序盤はこなれてない感が少しありますが、後半から2巻にかけて世界観もキャラクターも確立され、安定した面白さを発揮しているように感じられます。
楽隠居の富豪老人である旦那様、その孫でお子様だけど善良な稔、そして椿さん。この三人を中心に基本一話完結で話を回し、そこへ商店街の皆さんや、稔の友人達、庭師の桐原、山師として世界中をさすらう父、椿さんの弟の雅比古を加えて作品世界を形作っています。
旦那様、稔、商店街の方々はちょっと個性的だけどまだ常識人の範囲内で、メーターの振り切れている椿さんと相対するには少々弱いというのが正直な感想です。それらの絡みも十分に面白いですが。
しかし、2巻最終話『そして伝説が…』で引きとなっている庭師桐原の哀れなほどの草食片想いぶりや、雅彦の殆ど変態と言えるシスコン言動。これぐらいの吹っ切れたキャラクターが出た時の方が、椿さんと上手く噛み合うように感じます。この二人は本当に愉快です。
あと、各巻カバー裏も必見です。稔の友達三人組(男二人、女一人)の裏設定。
一切本編に生かされませんし、そもそもフルネームすら本編では出て来ませんが、ハードすぎだろ。
特に神無月壱朗太。世界を一人で守っています。なんか中二病的神の左手みたいな力で。頑張れ壱朗太。
こういう無駄なところにまでエネルギーを注ぎ込んで独自のスタンスで書き続けられている変な4コマ漫画『椿さん』。ひっそりとお勧めです。