今まさに日朝交渉が再開されつつある時点で、必読の書だ。
開かれては中断の止む無きに至った、過去の交渉の経緯を歴史的に的確に把握することが、未来の展望への前提であることは言うまでもないが、今日のテレビ報道は、それを無視したものとなっている。過去の交渉で、何が課題として先送りされてきたのかを理解することなくしては交渉は進展しない。それが外交に不可欠なはずなのだが、日本という島国の外交の低レベルさにはあいた口がふさがらない・・・。
本書では、日朝交渉の過程での、韓国の関わりも、丁寧に示されている。韓国の民主化とともに、交渉そのものも前進してきたのだ、という事実を踏まえておくべきだ。頑迷な日本の保守派が指摘するような、太陽政策の限界が幻にすぎないことは、ここ数ヶ月の韓国の政治的状況をみれば明らかであろう。太陽政策を継承・発展させている現政権への国民的支持が厚いことは、総選挙の結果で示されたばかりだ。
日韓が足並みをそろえて、6カ国協議を持続していくことが平和への道であることは自明のはずだが、日本のマスコミ報道は、ほとんど本質に触れることを怠っているばかりだ。
本書に示された交渉の過程と課題を冷静にみつめることが、真の国際貢献を生み出すであろう。