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検死審問―インクエスト (創元推理文庫)
 
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検死審問―インクエスト (創元推理文庫) [文庫]

パーシヴァル ワイルド , Percival Wilde , 越前 敏弥
5つ星のうち 4.8  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

リー・スローカム閣下が検死官としてはじめて担当することになったのは、女流作家ミセス・ベネットの屋敷で起きた死亡事件だった。女主人の誕生日を祝うために集まっていた、個性的な関係者の証言から明らかになる真相とは?そして、検死官と陪審員が下した評決は?全編が検死審問の記録からなるユニークな構成が際立つ、乱歩やチャンドラーを魅了した才人ワイルドの代表作。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

越前 敏弥
1961年生まれ。東京大学文学部卒業。英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 文庫: 322ページ
  • 出版社: 東京創元社 (2008/02)
  • ISBN-10: 4488274048
  • ISBN-13: 978-4488274047
  • 発売日: 2008/02
  • 商品の寸法: 15 x 10.8 x 1.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.8  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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14 人中、13人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 夢追人009 トップ500レビュアー
形式:文庫
有名なアメリカの劇作家ワイルドが余技として発表した長編ミステリー4冊の内の一冊で乱歩やチャンドラーに絶賛された著者の代表傑作です。本書は1940年に出版され、1950年代に日本で3つの出版社から翻訳書が出るほどの人気作品でしたが残念ながら半世紀後の現在まで長らく絶版状態でした。最近の翻訳ミステリー界は一昔前の幻の名作と呼ばれる本が続々と紹介されており、古い作品が却って新鮮で新たな発見も多く誠に喜ばしい状況だと思います。さて、本書の内容ですが検死審問というのは普通の裁判のように被告と検事・弁護士がいる訳ではなくて、裁判の予備的段階で法的に死因を特定する為の物です。本書の探偵役は検死官リー・スローカムで6人の検死陪審員の前で証人への尋問や証言文書を読み上げて吟味を行います。事件はコネチカット州の平和な小村トーントンで開かれた有名女流作家の誕生パーティーで長らく女史の出版代理人をしていた男が射殺されて開幕します。大勢の親類縁者達は女史の多額の遺産を当てにしており、被害者は間違えて殺されたのかとも思えます。それぞれの流儀で語られる証言記録の中に隠された真相を貴方は見事に見破れるでしょうか?
この事件が初の公判というスローカムは、長ければそれだけ日銭が稼げるという意図でだらだらと審問を引き伸ばすといういい加減な態度で、陪審員との掛け合いも不真面目でまるで村の寄り合いのような雰囲気が漂います。しかし後半になると事件は二転三転し、鮮やかなどんでん返しで幕を閉じます。真相に至る手掛りは巧妙に隠されていて、相当に注意深くないと見抜けないでしょう。他の特長としては裁判記録といっても全く堅苦しくはなく読み易い文体と構成になっていますので、安心して読めます。ガチガチの本格ミステリーではなく、程良いユーモアが適度に織り込まれた軽妙で親しみ易い小説として、本書は何時の時代に読んでも古びない名作だと思います。
このレビューは参考になりましたか?
2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By トップ500レビュアー
形式:文庫
■〈あらすじ〉

 勧善懲悪のわかりやすい作風で不動のベストセラー作家となったミセス・ベネット。

 そんな彼女の70歳の誕生日を祝うパーティが開かれた日に死亡事件が起きる。
 長年に亘ってベネットを支えてきた出版代理人のチャールトンが、顔面に銃創を
 残し、不審死を遂げたのだ。

 チャールトンの死因を法的に確定させるため、検死官と
 6名の陪審員による検死審問が開かれるのだが……。

■〈感想〉

 審問を可能な限り長引かせ、できるだけ多くの手当をせしめてやろうとする検死官と
 陪審員(一名例外)、そして、事件の証言にかこつけて己の人生観を得々と披露する
 証言者といった具合に、検死審問の関係者たちは、不審死を扱っているにも関わらず
 深刻さとは無縁です。それが巧まざるユーモアを醸すと同時に、状況に柔軟に対応し
 ていく庶民のしたたかさを感じさせるのが巧いところ。

 しかもそんな中に、真相に繋がる伏線がいくつも仕込まれているのですから油断できません。

 また、本作では、“人物像の反転”がことのほか鮮やか。序盤に読者の印象を操作し、
 先入観を植えつけた後、それを終盤でひっくり返してみせる手際は堂に入っています。
このレビューは参考になりましたか?
5 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By hoge2 トップ1000レビュアー
形式:文庫
戯曲風の検視官と陪審員のやり取り、入り乱れる容疑者たちの証言からなる後世に凝ったミステリーの良作です。芥川龍之介の「藪の中」をエンターテイメントに仕上げた作品と思えば、イメージをつけやすいかもしれません。
普通に読んでもちりばめられたユーモアや、二転三転するどんでん返しを十分に楽しめるでしょう。この小説はこれに加えて、同じ事柄、人物を多視点で描写することで浮かび上がる差異を通じて、ちりばめられているさまざまな伏線や手がかりを見つけていく楽しみが味わえます。
読み落とした手がかりを捜すのも再読する楽しみでしょう。今から再読するときが楽しみな作品です。
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