帝国が倒れ長く続いた戦国時代が終わりを告げた戦後の混乱期。主人公のトールとその義妹?のアカリ、トールが山中で出会った、棺を背負った少女のチャイカがメインで、それに領主に騎士に剣士に魔道師、とにかくファンタジーの王道ともいうべきものたちが出てきます。中世ヨーロッパに魔法使いの要素が加わったような印象を受けました。
主人公のトールは最初はとにかくニート状態です。ひきこもりです。そんな彼がアカリに追い立てられて家から出て、山中でチャイカと出会い、そして不本意ながら戦闘に巻き込まれたところから物語が一気に加速していきます。初めは怠惰だったトールも山中での戦闘を通して徐々に”自分のしたかったこと”に向き合うようになっていきます。
アカリは兄のトールを尊敬してるのか馬鹿にしてるのかよく分からない発言を繰り返すキャラでトールとの絡みではけっこうな下ネタを発します。
チャイカはこの話の重要人物ですが、この巻ではトールが”自分のしたかったこと”に目覚めることに重きを置いていたようなので、ちょっと目立たなかったような・・・。まぁ、腕の立つ魔道師のようです。
内容に関しては上にも書きましたが、騎士に剣士に魔道師に・・・というファンタジーの王道に、サバターなる狂戦士的なものも加わります(ちなみにトールとアカリがサバターに該当します)。
時代の説明も、魔法の設定も、サバターがなんなのかについても分かりやすく描かれているので、すっと頭に入ってくると思います。
そしてなにより戦闘シーンは臨場感があり、迫力もあって一見の価値がありました。全体の半分くらいは戦闘で埋まっているのですが、特に苦痛を感じることもなく読み進むことが出来ました。
最後に物語全体の雰囲気ですが、明るく楽しいドタバタ劇ではありません。笑いは笑い、締める所は締める、でしっかりまとまっていました。
”あるもの”を求めて旅をするチャイカ。彼女の目的が”自分のやりたいこと”に最終的に通じるからと同行を決めたトール。兄に続くアカリ。チャイカの目的が世界を再び戦乱に導くとして、今後も敵対するであろう面々。
ちゃんとした王道ファンタジーです。
長文失礼しました。