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13 人中、13人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
鴎外が自己啓発本を書いていた!,
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レビュー対象商品: 森鴎外の『知恵袋』 (講談社学術文庫 523) (文庫)
「人との付き合い方」について書かれた森鴎外の書ではあるのだが、実はこの本にはネタ本がある。18世紀のドイツの作家、アドルフ・フォン・クニッゲの『交際法』というのがそれ。ドイツ語を自在に操った鴎外が新聞等に匿名で(無論翻訳であることすら伏せて)発表したモノをまとめたものがこの本だ。小説家としても軍医(官僚)としても功成り名を遂ぐ鴎外が、どうしてこんな本を書かねばならなかったのか、その辺の推理は本書の解説を一読していただきたい。 いずれにせよ昔も今も、洋の東西を問わず、人間というものは「人付き合い」に悩み続けてきたものなのだなあということがよくわかる。
2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
表紙に断り書きが欲しい本かも,
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レビュー対象商品: 森鴎外の『知恵袋』 (講談社学術文庫 523) (文庫)
明晰で歯切れの良い美しい文体で『高瀬舟』や『舞姫』を書き、明治の文壇で夏目漱石と共に<余裕派>と並び称された文豪・森鴎外。本書はその鴎外による、処世の知恵を説いた箴言集(クニッゲ、グラシアンというドイツ作家の作品を鴎外が抄苦訳・翻案したもの)です。中は『知恵袋』『心頭語』『慧語』と3つの部分に分かれています。前半部が鴎外の書いた擬古文の文章で、後半部が口語訳になっています。 本書には鴎外自身が考えて書き加えた項目も勿論あるのですが、基本的には元本に基づいており、本書を鴎外の創作というのは憚られますので、購入を検討されている方はその点にはご注意ください。 小堀氏による解説は丁寧ですし、巻末には元本との対蹠表も付いています。 他のレヴュアーさんが「鴎外は、本書には元本を書いたドイツ作家があることを伏せて本作を発表した」と書かれていますが、それは表現がやや正確さを欠くかと思いましたので、一言鴎外をフォローさせていただきます。本書解説によれば元本のタイトルを明示していなかったというのは事実らしく実際気になりますが、一応本作の掲載紙には<鴎外訳補>という断りは書いていたとの事です。 内容については、解説の小堀氏は「一読の価値はあり」「人間知の宝庫」と言いつつも同時に「陳腐」「俗物的」「鴎外の作品にしては質が悪いから、事実を知る以前に多分翻案だとは思った」等と結構こきおろし気味でしたけれど、解説で読んだ分には作者クニッゲは好人物であったようですし、内容も個人的には勉強になる点、また頷ける点が多々ありました。<妄語>(嘘をつくな)の項や<師恩>の項や<報恩>の項、<待つことを知れ>など・・。実際項目によってはごく常識的で、どこかで聞いたようなベーシックな助言も見うけられるのですが、こういう今や廃れる一方の、重要な人間的徳目を項目として設けていること自体には、クニッゲの一定の見識と道徳的な人柄が偲ばれるかとも思います。 他にも<初対面><親子><呑気と皮肉と><酒色><機嫌買い><性格ある友><待客の最要事>など、日常生活における場面ごとに事細かに処世のコツが説かれています。 それにしても、西洋も東洋も心ある人たちの間では「恩知らずは悪党だ」という価値観は時代を問わず共通しているのことには感慨を覚えます。 また解説は、クニッゲ、グラシアンと鴎外の小伝のような部分も含んでおり、執筆に至るまでの背景が分かりそれも面白かったです。
2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
八 自信(自信を失うな),
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レビュー対象商品: 森鴎外の『知恵袋』 (講談社学術文庫 523) (文庫)
自分自身の考え方、行儀作法、人づき合い、友人関係、夫婦関係のあり方など、とても親切に述べられています。森鴎外の「知恵の源」が翻訳学者であったとしても、その内容には、優れたものがあります。 日常生活の細部に、かなり丁寧なアドバイスがあります。 森鴎外の原文とは別に、現代語訳(口語訳)で分りやすく読めます。 僕の本は、赤鉛筆の線が、かなり引かれています。 p188 八 自信(自信を失うな) 僕の好きな言葉、「根拠のない自信」を思い出しながら、自信がすべての行動力の源であると確認した文章でした。 昭和八年生まれの小堀桂一郎さんの訳と解説、編集者の気配り「八」への「こだわり」と「ユーモア」を感じたのは、僕だけでしょうか。 森鴎外の『知恵袋』は、何度も読み返して暗記したいほどです。 時代を超えた対人関係の名著で、一読の価値があります。
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