森見ファンで、さらに京都も好きな私がこの本を買わない理由がない!と思い購入。
【感想】
この本には編集の方の森見さんの文章が大好きな思いがとても伝わってきて、好印象は受けました。
森見さんの文章にまだなじみがない方、その世界観を知りたいなぁと思われている方にはうってつけの一冊かと思われます。森見さんの文章と写真がセットになっており、より世界観が深まるかと思われます。そういう人にはオススメですよ☆
ですが、森見さんの発刊されている文章をある程度読んだことのある人なら、森見さんのyomyomでの読み切りと今日まちこさんの数カットのさし絵など以外、特に目新しいところがありませんでした。
以下、辛口レビューとなりますので読みたくない方はお避けください。
「京都ぐるぐる案内」の冠がついている割には、たとえば「鴨川デルタ」など森見さんの著作の有名な場所が両ページ見開きで紹介されているわけなんですが、写真が2カットしかない。実際京都を訪れるまでに場所を妄想することすらできない、少ない情報量でした。
しかも写真つきの森見さんゆかりの土地紹介だったら「四畳半神話体系公式読本」でもなされており、こちらを持っている読者としては、「四畳半〜」でなされていた以上のことをしてほしかったのですが、なんとなく似たような特集に終始しています。
「鴨川デルタ」の写真といっしょに、森見さんの文章、ここでは「四畳半神話体系」になるのですが、が抜粋してあって掲載されているのですが、このような特集というか企画にも既視感を覚えました。こういうのってもう森見さん特集をする文芸誌が何度もやったことあります・・・。
同じ京都+森見さんの組合せの本を買いたいなら、別の出版社から出ている「四畳半神話体系公式読本」のほうが断然おすすめします。
森見さんの書きおろしの文章も載っているし、本の作りも目次からなにから細かいところまで古めかしい世界観が作りこまれており、「かわらばん」の雰囲気が出ていて面白いし、それにこの本にも森見さんゆかりの地である京都大学や鴨川デルタや糺の森などなどが写真付きで紹介されています。この写真が、綺麗なんです。
それに「四畳半〜」では、アニメの制作の監督さんと森見さんの結構長めの対談や、イラストレーターの中村佑介さんのインタビュー、声優のインタビューも載せられており、かなり文字量・情報量が多く、読んでいてかなりの満足感を覚えたものです。
一方、こちらの本は、1470円にしては結構薄い本で、情報量も思ったほどではなく、私としては、新潮社さんならではの森見さんを新たに開拓するような本を出してほしかった!
私は新潮社の出す本に対しては信頼を置いているので、きっと面白い特集を盛り込んだ「京都ぐるぐる案内」なんだろうなと大きく期待しすぎた感がありました。
なんというか・・・「森見登美彦の京都ぐるぐる案内」という題名が素晴らしすぎて、「読んでみたい!」と思うのですが、中身の点でもうちょっと新しい試みを見せて欲しかった、という印象でした。題名はほんと好きです^^