独特な雰囲気です。
こんなサイレントな主人公の存在自体が、ギャグのネタだとは、なかなかユニークです。
本書では、無口の主人公森田さんの台詞は、平仮名の「あ」の下半分がカットされたもの程度です。
つまり、無口過ぎて、言葉が平仮名一字にも満たないという訳です。
森田さんは、全然喋らないけど、他人の話の聞き上手です。
手を止め、相手の眼を見て、じっと聞きます。
こんな風にされると、ドギマギとして、緊張してしまいますよね。
それが、森田さんの場合、誠実さがにじみ出ていて、周囲を包容してしまいます。
森田さんは、極度の話下手だけど、それを上回る聞き上手。
これは、話下手な方の、一種の処世術の見本としても、良だと思います。
森田さんの両親は仲は良いけど、どのシーンでも、お父さんのキャバクラ嬢の名詞が追求されています。
お母さんが名詞に関してネチネチと追求すると、決まってお父さんは「違うんだ」です。
何も違わないのですが、男はこういう時、決まってこう言ってしまいますよね。
(笑)
誠実な森田さん。
本書には、そんな森田さんの魅力が、凝縮されています。