「森村桂**へ行く」シリーズの一冊。
たぶん、パリ篇とかアメリカ編とかから読んできた方が楽しめると思う。
アメリカから日本へ返還される直前の沖縄へ旅した紀行文である。すなわち当時の沖縄へ行くと言うことは、外国へ行くということであり、アメリカ軍支配下の土地を体験するということになる。
おりしも佐藤栄作首相が返還交渉でアメリカへ行こうとしている最中であり、学生運動も盛り上がりを見せていた。そんななか、著者も熱い思いを抱き、地元の若者と話し合ったり、「すばらしい新・沖縄」をつくるためのアイデアを披露したりする。
ただ、2010年という現在の目から見ると、いろいろと虚しいし、その熱心さにいらだちや恥ずかしさを感じてしまう。なんと空回りし、その未来予測は外れたことか。
森村さんの率直さ、直情、親しみやすさが裏目に出てしまった一冊と思う。