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森へようこそ (ピュアフル文庫)
 
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森へようこそ (ピュアフル文庫) [文庫]

風野 潮
5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

海外勤務になった母と別れて、大阪に行くことになった少女・美
森。美森が暮らすことになるのは、大阪郊外の「紅葉谷」と呼ばれる自然豊かな
森の洋館だった。そこには両親の離婚後、一度も会っていなかった父親と、双子
の弟・瑞穂が待っていた。登校拒否児の瑞穂は、「植物の声が聞こえる」とい
う不思議な少年だった......。[解説:令丈ヒロ子]

内容(「BOOK」データベースより)

海外勤務の母と別れて、大阪に行くことになった少女・美森。彼女が暮らすことになるのは、大阪郊外の「紅葉谷」と呼ばれる自然豊かな森の洋館だった。そこには両親の離婚後、一度も会っていなかった父親と、双子の弟・瑞穂が待っていた。登校拒否児の瑞穂は、「植物の声が聞こえる」という不思議な少年…。『ビート・キッズ』の著者が描く、ちょっと不思議で心温まる家族再生の物語。

登録情報

  • 文庫: 220ページ
  • 出版社: ジャイブ (2006/11)
  • ISBN-10: 4861763568
  • ISBN-13: 978-4861763564
  • 発売日: 2006/11
  • 商品の寸法: 14.8 x 10.6 x 1.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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By sagitta
形式:文庫
これこそ、「児童文学でしかできない作品」って感じかなぁ。

母親が海外勤務に行くことになったために、離婚した父親のところに引き取られることになった小学五年の女の子、美森。
そこには物心ついてから初めて会った、植物医のお父さんと「木の声が聞こえる」不思議な双子の弟、瑞穂がいて……。
こんな設定は、児童文学以外ではなかなか受け入れられないかもしれないけど、だからこそすごく新鮮にみずみずしく響く。
そして何より、ビート・キッズで遺憾なく発揮されていた潮さん特有の生き生きとした一人称の語り口は、語り手がちょっと素直じゃない女の子に変わっても健在。
潮さんの作品で特徴的なのは、児童文学でありながら決して説教的じゃないこと。
「世の中こういうもんなんだから、子どもはこうありなさい」なんてことは一切出てこなくって、むしろ、「大人たちだってね、完璧なんかじゃないんだよ」って事に気づかせてくれる。
僕自身そうだったけど、子どもの時って大人が完全なものに見えて、大人に「こうなんだ」って言われるともう、それをそのまま受け入れるしかないように思ってしまう。
特に感受性の強い子なんかは大人の言うことと自分の現在の状態とのギャップを、自分が不完全であるせいであると思い込んでしまったりもする。
だからこそ、そういう枠組にとらわれないこの作品は痛快でもあり、大人たちの不完全ささえも認める優しさがあり、安易な解決法も正否も提示しないところにある種のリアルもある。

作中に出てくる「いじめ」の表現も、僕にはすごく共感できた。
現代社会では良くも悪くも、「いじめ」というものが特別視されすぎてその言葉も独り歩きをしている。
「いじめは絶対悪だ」と騒ぐだけでは本質を見出せるはずもないし、それでは何も言わないのと同じだ。
「わたしがクラスメートでもたぶん、あの子のこといじめてると思う」だなんてこぼしてしまう美森ちゃんの語りにこそ本質はあると思うし、単に「そのままでいいよ」というばかりが解決でもない。
これが解決策だ、なんて簡単に言えるわけもないけど悩み多き子どもたちを余計に悩ませているような、大人たちのプレッシャーに満ちた「いじめ」への視点よりずっと希望にあふれていると思う。

まぁ、難しいことはこの作品には似合わない。
不思議な設定でありながら、平凡な日常にあふれたこの作品。
痛快な美森と優しさに満ちた瑞穂の日常に触れて、すがすがしい森に爽やかさを感じられれば、それだけでこの作品を読む価値はあるんだ。
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風野節 2009/4/14
By ちはる VINE™ メンバー
形式:文庫
最初、あ、箕面だ、と思いました。(サルは出て来ないけど)
しかし大阪の中心から電車で30分も走れば、東京にだって高尾山があるように、郊外という名のド田舎が広がっているわけで、どの方向に想定してもいいようにぼかされていますね。

さて、鮮やかな緑が目にまぶしい表紙と、「ビート・キッズ」の作者というダブルパンチに、思わず手に取ったこの文庫本。すっかり楽しませていただきました。
気が強くて脊髄反射的な行動をとる主人公の少女は、お馬鹿さ加減がちょっとBKのエイジを思わせます。
彼女の破天荒で真っ直ぐな行動に、ついうっかり吹いて笑ったりしているうちに同調していき、後半にさしかかったからもう大変。
このしぶといお姉ちゃんが、限界切れて、ついに・・・という場面で、やっぱりついうっかりもらい泣きしてしまいました。
はっと気がついたら、実は長距離列車の相席で小さくなって読んでいたのに、グスグスと鼻水が〜;
ああ、横にいた若いお姉さんの目が不審げで哀しかった・・・;
この辺もBKと同様です。人前で読まない方がいいよ〜

そんな風に、読んでる最中は「この連中、日本のどこかに実在しそう」と思うほどのめりこんじゃうのに、いわゆるオチや締めがいまいち緩くて、読み終わって魔法が解けると「なんだ〜? ここでこう終わっちゃうの? それでいいの?」とすご〜く突っ込みを入れたくなるのも同様ですね。きっと文学作品として冷静に評価したら、完成度は今一つじゃないかな。
しかし、のめり込んで同調してしまった者としては、どこかにいるかもしれない「人の一生」の一部を切り取って描写したんだから、ここで何もかも決着がつくわけないじゃないか、と妙な納得をしてしまうのでした。

「ビート・キッズ」を好きな人はきっと気に入ると思います。
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