真冬の大晦日、十四歳のわがままな女王さまが、四月の森にしか咲かない「マツユキソウ」(スノードロップのこと)を取ってきた者には金貨を与えるという、とんでもないお触れを出し、それでもうけようと、とっても意地悪なまま母とその娘は、「ままむすめ」を雪深い森へ無理やり行かせます。森に集まっていた十二か月の「月の精」たちは、働き者で心優しいままむすめを哀れに思い…… 。
一月から十二月までそれぞれの月の精がいて、順に季節を巡らせている、という発想にとても感動させられます。女王の教育担当である「博士」の、「月はそれぞれが…… おくりものとなぐさめをもってまいります」という言葉には、寒い国スラブの民話ならではの、自然への深い思いがこめられて、春の新緑や秋の実りだけでなく、夏の暑さや深い雪もまた自然からの贈り物なのだ、ということを改めて思い出させてくれます。
まま母とその娘の意地悪さ、女王の気まぐれには本当に腹が立ちますが、最後にはちゃんと報いを受けて、ほっとさせられます。森の動物たちのすること、話すこともとても微笑ましく、きっと人のいないところではそうなんだろうなあと思わされます。
そして、登場人物の歌う歌がとてもリズミカルなきれいな言葉で、今にも節をつけてしまいそう! ひと昔前に訳されたものは、本当に日本語がすばらしいなと思わされました。もっと多くの人に読んでもらいたい、おおらかな美しい物語です。