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森の中のウォールデン湖畔でのほとんどが自給自足の生活。大学を出た男が社会に汚れるのを避け、隠遁する。あるとき町に出ると彼は逮捕される。税金を納めることを拒否していたためであった。それほど自信のある徹底した自足生活。彼のその目的はなんであろう。精神のピューリズムを求めたためであろう。彼の潔癖さは、たとえば新鮮な朝をコーヒーやお茶の香りや味で台無しにしてはならない、と述べているくだりでもわかる。またあまり多くを食べることを戒めている。多く労働することをさえ戒めている。これはあくせく建設に沸き立つ当時のアメリカ国民への批判でもあろうか。切り詰める所は切り詰め、時間を作り、自然の中で遊び、洞察を試みる。それはまさに手作りの洞察である。どこかの学問を当てはめるのではなく、自分自身の目で観察し洞察を(変な言い方だが)築き上げていく。自分の世界を自分の信念で構築していく、このやり方がアメリカを感じさせる。しかし、自然への洞察は自身の観察でするとしても、博大な文学的教養が随所に散りばめられているのは、彼の膨大な読書の証明である。こうしたことが「詩人博学者」と呼ばれる所以だろう。
本書の場合は何度も何度も噛みしめて読み味わうものである。
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