タイトルにある通り、日本を代表する指揮者の1人である岩城宏之氏が、無二の親友であった山本直純氏らと過した芸大時代の青春を綴った本です。面白いのは、著者や直純氏の、したいことに対するエネルギーです。カネもないけれど、カラヤンらの演奏会を聞きたいとなれば、オーケストラ員の座席の下に潜り込んで腹ばいの姿勢のまま、聞いていた話。指揮をしたくなったら、芸大員を無理やり集めて、楽団を作り、定期演奏会を催してしてしまったり、また、指揮法を巡っては、徹夜で2人で討論しあったり。こうした学生時代ならではの破天荒なエピソードーしかし私のような凡人には決して真似できないようなエネルギッシュなエピソードーの数々が紹介され、ちっぽけなことで悩んでいてはいけないなあと元気付けられる本です。また、ほんの少しですが紹介されるカラヤン、フルトウェングラー、斎藤秀雄らのエピソードも面白く読めます。クラシッククファンはもとより、多くの方にお奨めの1冊です。