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森に眠る魚
 
 

森に眠る魚 [単行本]

角田 光代
5つ星のうち 3.9  レビューをすべて見る (40件のカスタマーレビュー)

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商品の説明

内容紹介

都内文教地区の町で出会った5人の母親。育児を通して互いに心を許しあう彼女たちだったが、その関係性は徐々に変容してゆく。引き金となったのは小学校受験なのか、それとももっと他の何かなのか。――あの子さえいなければ。私さえいなければ。5人のせめぎあう感情が胸にひりひりと迫る、著者母子小説の衝撃作!

内容(「BOOK」データベースより)

東京の文教地区の町で出会った5人の母親。育児を通してしだいに心を許しあうが、いつしかその関係性は変容していた。―あの人たちと離れればいい。なぜ私を置いてゆくの。そうだ、終わらせなきゃ。心の声は幾重にもせめぎあい、壊れた日々の亀裂へと追いつめられてゆく。

登録情報

  • 単行本: 365ページ
  • 出版社: 双葉社 (2008/12/10)
  • ISBN-10: 4575236497
  • ISBN-13: 978-4575236491
  • 発売日: 2008/12/10
  • 商品の寸法: 19 x 13.6 x 2.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.9  レビューをすべて見る (40件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 27,683位 (本のベストセラーを見る)
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9 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 現代の格差社会に眠る人間の本性の恐ろしさ, 2010/9/8
By 
DiDi (東京都世田谷区) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 森に眠る魚 (単行本)
他の角田光代作品同様に誰もが見たくない、見ないようにという物から目をそらす事なく見据える角田光代の真剣さ真面目さが伺えました。

ある種の誰でも経験がある後ろめたさと恐いもの見たさにぐいぐい引きつけられあっという間に読み進み、そのうち自分でも気づかない自分自身の中に眠る本性みたいなものに向き合わざる得ない状況にたたされます。

でも本作を読み終わって感じた事は現代の格差社会の恐ろしさ。

本作のテーマになっているお受験。

すべては格差社会の勝ち組になろうとするがゆえの努力。

日本人はほとんどが中産階級で平和に暮らしていると信じているがこの話を読むとそんなのは幻想に過ぎず、明らかに格差が存在する事を認めざるを得ない状況に落ち入ります。

本作の中には出てくる5人の主人公の母親達はそれぞれが異なった環境の異なった階級に属しています。 いわゆる育ちが違うってことです。

その自分が育ったのと同様の環境の中にいる分には気づかない事を全く別の階級どうしが育児を通して知り合いになり友達になり行動をともにする事によりいやでもその違いに気づかされてしまうのです。

育ちのいいもの(都会育ちの勝ち組)は育ちの悪い物の趣味(センス)には共有できないと悟り、彼らの卑しさに気づき辟易し、貧乏とまでも行かず郊外や田舎の裕福でない家庭と環境で育ったものには自分の中にあるゆがんだ劣等感とどんなにのぞんでも身につける事の出来ない違い、勝ち組の中にあるあきらかな優越感に気づいてしまう。

それに実感をともなって気づかされてしまう事がこの話の本当の恐ろしさでしょう。

両者は相容れず格差は開いていくばかり。物語はそれに気づいたものたちが自分の領域を死守する為の行動の醜さを余す事なく伝えていきます。

昨日までキレイごとでなっていたこの世界が実はそうではなっかたと気づき足もとがぐらつく感じ・・・。

自分は周りに影響されないと思っても知らず知らずのうちに比較している。

そしてだれもが人より有利にたちたいというところで欲望が生まれ悲劇が生まれる。

社会的格差というのは今に始まった事ではないのはたしかですが昔は それぞれが立場をわきまえ身の丈にあった分相応の暮らしにそれなりに満足していた様な気がします。

それが現代では雑誌やテレビでセレブがモテハヤされちょっとがんばれば自分にも同じ様な暮らしが手に入る錯覚をおこすような情報が氾濫し、それに輪をかけるようにクレジットカード会社やローン会社によって安易お金が手に入り、その自分の物でないお金があたかも自分の物のように錯覚をおこしてしまう様な仕組みにあふれている。

この小説はそんな現代の情報社会と格差社会の生む恐怖と闇を個人の目線からリアルに書ききった一作だと思います。
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7 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0 狭い人間関係, 2010/1/9
レビュー対象商品: 森に眠る魚 (単行本)
よく似たお母さん同士の人間関係はどこにでもある風景で
多くの小さい子供を持った母親は子供中心の生活をしています。
ストレス解消や情報交換などの楽しいだけの場であれば無問題ですが
つまらないことで誤解したり疑心暗鬼になっていく人間関係や課程が
とてもリアルに描写されていて怖いくらいです。
今、まさに子育て中のお母さん達が読めばギクッとなる事がたくさんあり
読み終えることでママ友以外で視野を広げようという気持ちになるかも知れません。
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41 人中、35人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0 文教地区、ママ友達、空疎な夫婦関係、これって・・・, 2008/12/15
By 
ハンカチ王女 (東京都) - レビューをすべて見る
(トップ1000レビュアー)   
レビュー対象商品: 森に眠る魚 (単行本)
著者の角田光代さんは、もともと事件もののノンフィクション物をよく読むそうで、
ママ友同士の心のぶつかり合いから相手の娘を手にかけてしまったというあの事件に
ついては傍聴記録まで読みふけったそうです。そんな風に気にかけていた事件を
あくまでもモチーフとして取り上げ、母親同士の関係を徹底的に描いた本作は、
とても読み応えがありました。「対岸の彼女」では、少女時代の友情と大人の
女性同士の友情の対比が新鮮でしたが、今回は、子供や幼稚園を介して得た友情が
子供の進路という問題を前に揺らぎ、少しずつ根底から壊れていく様子が静かに
胸糞悪くなる感じ(良い意味で)。誰一人、これという悪人はいないのですが
最初は好もしく思えていた育児観や子供の個性の違い、生活レベルの差などが
目障りになり、不信感が育ち、そして憎しみとして形をなしていく様子…
人が恋に落ちるとか友達ができる、というプラスの感情が育っていく小説と違い
どんどんマイナスの感情が女性たちの中で膨れてくる気持ち悪さをびっちりと
味わわされる、ある意味ホラーのような小説です。
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