人生の裂け目に、不可解で奇妙な謎の断片が滑り込んできたような・・・・・・。そんな味わいのイギリス短篇選集。衝撃的な面白さのある作品こそありませんでしたが、そんじょそこらのアンソロジーでは絶対に出会えないだろう風変わりな十三の短篇を、読むことができました。
掲載順に、◎ジョン・ウィンダム『時間の縫い目』(浅倉久志訳) ◎ジェラルド・カーシュ『水よりも濃し』(吉野美恵子訳) ◎ジョン・メトカーフ『煙をあげる脚』(横山茂雄訳) ◎ジョン・キア・クロス『ペトロネラ・パン 幻想物語』(吉野美恵子訳) ◎ヒュー・ウォルポール『白猫』(佐々木徹訳) ◎L・P・ハートリー『顔』(古屋美登里訳) ◎ロバート・エイクマン『何と冷たい小さな君の手よ』(今本渉訳) ◎A・E・コッパード『虎』(吉野美恵子訳) ◎ウィリアム・サンソム『壁』(佐々木徹訳) ◎ミュリエル・スパーク『棄ててきた女』(若島正訳) ◎ウィリアム・トレヴァー『テーブル』(若島正訳) ◎アントニイ・バージェス『詩神』(佐々木徹・廣田篤彦訳) ◎リチャード・カウパー『パラダイス・ビーチ』(若島正訳)
不満は、値段が高いこと。ほかの単行本と比べて、本の版型がひとまわり小さいこと。上下二段組で、やや読みづらかったこと。栞紐が付いていないこと。
英国作家の短篇アンソロジーでは、小野寺健氏が編んだ『20世紀イギリス短篇選(上・下)』(岩波文庫)が、とても面白いですよ。ぜひ!