「思想はつかうべきものである。思想は論じるためだけにあるのではない」、と1954年に言い切っていた梅棹忠夫。
本書は、いまもなお、日本人を勇気づけ、元気づけるコトバの数々を、22巻にわたる「著作集」にまとめられた膨大な文章のなかから選び出し、モンゴル研究者の小長谷有紀氏が解説し、コメントをつけたものだ。
見開き右ページに梅棹忠夫のコトバ、左ページに2010年時点のコメントが書かれている。梅棹忠夫のコトバには、発言された日時と場所、そして出典が記されているが、その先見性と平明さには、あらためて驚かされる。その現代的意味は、さらにコメントで確認することができる。
梅棹忠夫自身が後半生をその発展に捧げた国立民族学博物館(大阪千里)で開催される「ウメサオタダオ展」にあわせた出版である。昨年(2010年)出版された『梅棹忠夫 語る』(小山修三=聞き手、日経プレミアムシリーズ、2010)とあわせて読めば、かっこうの「梅棹忠夫入門」となるだろう。ぜひ手元に一冊置いておきたい。