仕事の関係で桶川へ行く機会がありました。駅前は地方都市というには小さく、明るくのどかでいい町に感じました。「桶川」と言えば「ストーカー殺人事件」が連想され、こんな町で殺人事件が起こったという事実に興味を持ち、本書を読みました。
実は、今にして思えば被害者には本当に失礼な話ですが、私自身、当時のマスコミの報道を断片的にしか把握しておらず「風俗店で働いていた女子大生が、そこの店長にストーカー行為をされた挙句に殺された」というような誤った認識をしていたのですが、本書を読んで被害者が家族思いで心優しいごく普通の女性だったこと、ちょっとした偶然で性質の悪い人間に付きまとわれるようになったこと、警察に助けを求めても相手にされず結局殺されてしまったこと・・・その経過を知ることになりました。
この事件は歪められてマスコミに扱われることで、被害者の人権が蹂躙された訳ですが、私のようにニュースを部分的にしか見ていたなかった人で、未だ勘違いしている人は沢山いることと思います。
事件としての問題提起も濃密に詰まった本ですが、それとは別に、私のように誤った認識をしている人達に是非読んでいただき、少しでも多くの人に被害者であるたぶん人間として非常に魅力的だったであろう女性について正しい認識を持ってほしいと思いました。