2009年4月11日に起こった<再び>の光景。
かつてエレカシはドラマやCMのタイアップで、その光景を手にした。
時代もミリオンセラー・バブルの余波が残る音楽界でのことで、
どこか地に足のつかないフワフワした様子に、
本人たちもどこかで居心地が悪かったようだ。
ところが、本DVDに収められた公演はまったく別物である。
キャニオン時代のエレカシではない。
また、苦悩苦闘したEMI時代のエレカシでもない。
もちろん、観客3000人を相手に、
着席で武道館公演をしたエピック時代のそれでもない。
まったく新しい立ち位置を示しているエレファントカシマシである。
16人編成のストリングスを配置して、壮大な世界観を示すと同時に、
大半のナンバーはオリジナル・メンバー4人と、
サブ・メンバー的立ち位置の蔦谷好位置と昼海幹音による6人体制の演奏である。
これがとても安定していて、聞いていて心配がない。
洋楽のように超絶技巧のバンドに進化したわけではないが、
彼らなりの安定したベスト・プレイが鳴っている。
しかも、それが観客にとって心地がいい。
セットリストは新旧とり混ぜたベスト・セット。
かつてのファンにはヒット曲があるし、
新しいファンには新譜からの楽曲もあり、
それをうまくブレンドして、流れの切れないよい曲順になっている。
聞き所はアルバム『5』から選び出された「シャララ」、
これは原曲を凌駕するいきおいが表現されていた。
それから、バラードにもかかわらず、後半が異様にロックする「リッスントゥザミュージック」。
焼酎CMのタイアップ曲だった「ハナウタ」。
デビューアルバムの劈頭曲「ファイティングマン」である。
雑音を整理した分、臨場感はなくなってしまっているが、
音質はライブ盤とは思えないくらいすばらしい。
映像に関しては、切り替えが多すぎてやや落ち着きがない傾きもあるが、
さまざまな角度からステージを映そうというこころみはよくわかる。
画質は毛穴が見えるくらいクリア、
たぶんハイビジョン・カメラでの撮影だと思われる。
40を過ぎて未だ前進をやめないライブ・バンド、
エレファントカシマシの実像は、まさに動く姿、
ライブ映像の中にある。
百聞は一見に及ばずして、言は空転の元なりせば、
刮目して見よ!ただ、一語、刮目せよ