安吾の純文学および幻想文学の代表作を網羅した短篇集。
前月発売の「堕落論・日本文化私観」、翌月の「風と光と二十の私と・いずこへ」とあわせて、岩波文庫3冊で安吾選集のコンパクトな決定版ができた感じだ。
分量も過不足ないし、これまでに出たどの作品集よりも純度が高い。
最新版筑摩全集に準拠した初めての文庫本なので、「白痴」や「戦争と一人の女」は無削除版であり、「風博士」は冒頭の1文から他社の文庫と違う。
あとはこれに、推理小説&ファルス、歴史小説、紀行&ルポなどで1冊ずつ作ってもらえれば、短篇選集としては完璧だろう。
この巻の収録作は以下のとおり。
風博士
傲慢な眼
姦淫に寄す
不可解な失恋に就て
南風譜
白痴
女体
恋をしに行く
戦争と一人の女〔無削除版〕
続戦争と一人の女
桜の森の満開の下
青鬼の褌を洗う女
アンゴウ
夜長姫と耳男