桑島法子さんが時折朗読のイベントを催されているのをご存知の方も多くいらっしゃることでしょう。その桑島さんが、岩手出身の作家・宮沢賢治の作品を、その作品と縁のある土地を訪れ、その現地の空間で朗読することに挑んだDVDです。
桑島さん御自身の郷里も岩手なのですが、地元出身者だけに訪れることのなかった場所にも、このイーハトーヴ朗読紀行が縁で訪れる事が出来て、とても貴重な体験が出来ましたと語られています。
作者・賢治だけでなく、多くの東北出身者やその関係者が好む小岩井農場などの活きた空気感が伝わって来ると同時に、ふと『あ…っ、この風景…確か何処かで観たような気が…。』と思えるような懐かしい感覚に、心が和むかもしれません。
事実、小岩井農場方面に似た風景を北総の安食などで見い出す事が出切る様に、人が思い描く懐かしい風景の基本的な部分は共通しているのかもしれません。それだけに、ここに出て来る風景は宮沢賢治作品の舞台であるだけでなく、あなたの心の中にある懐かしい場所の風景でもあると思います。
桑島法子さんの聴き心地良い朗読の声は、創造的な賢治の作品世界にあなたを誘う事を約束します。
また、余りの心地良さに『夢の国』へ誘われるかもしれません。良い音楽は眠りを誘い、良い朗読は安らかな眠りを醸し出す。これは、抗う事の難しい真理です。
書籍で宮沢賢治の世界に馴染んだ方も、また書籍での宮沢賢治作品完読に挫折している方も、桑島法子さんの朗読になら親しめる事かと思います。