笑点で見せる優しい笑顔と丁寧な語り口は、落語でも同じなんですね。なんと分かりやすい、親しみやすい芸でしょう。2演目ともあまり多くは演じられない噺ですが、独自のくすぐりも入れながら、見事に現代に通用する魅力的な噺に仕上げています。「質屋庫」は、旦那に庫の番を頼むために呼ばれた気の弱い店の男が、ついにバレたかと酒や沢庵の樽をくすねていたことを自らどんどん明かしていってしまうところが何とも可笑しい。「菊江の仏壇」は、若旦那の嫁のあまりに悲しい最期とその後のサゲまでの噺の展開のギャップが激しすぎて、戸惑いながらも笑わずにはいられない珍しい噺。…笑点での歌さんしか知らない方には、是非聴いていただきたい一枚です。スゴい人です。