良い本だ。欧米からは幼児的と言われる日本が、実は世界一低い絶対貧困率を維持し、安全であり、そして今後の世界で最も成功する可能性があることを、圧倒的なデータと経済哲学で力説する本、とでも言えば良いだろうか。
日本では鉄道網が機能して効率と安全を保証している。よって、女性や子供が自由に外出し、世論や購買力に大きな力を占めている。車社会は男中心で、犯罪も多いのだ。世間で跋扈する悲観論は、逆に言えば、日本人が世界一要求の高い国民だと考えよう。
日本は知的エリートがいないので成功している、という愉快な理論を著者は繰り出す。子供のうちから仲間で電車で外出し、携帯でコミュニティを作る。大人も幼児的だから偉ぶらず、無知なことを隠さない大衆の知的レベルは実は高い。
結果、どの組織でも学歴・役職に関係なく自発的に創意工夫するバザール型社会が実現した。携帯やブログであっという間に世界一のクラウドの集合知を実現してしまった。エリートが作成する戦略は、当たればでかいが、外れれば大損だ。日本では戦略が無いことが良いことなのだ。クラウドだからだ。
面白いから是非読んでみて欲しい。