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格差社会ニッポンで働くということ―雇用と労働のゆくえをみつめて
 
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格差社会ニッポンで働くということ―雇用と労働のゆくえをみつめて [単行本]

熊沢 誠
5つ星のうち 3.8  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

一九九〇年代後半から加速度的に顕在化した雇い方・働かせ方に関する企業労務の展開からもたらされた、雇用形態の多様化、ワーキングプアの急増、働きすぎの人たちと働けない人たちの共存、労働条件が悪くても声をあげられないこと…つまり、“労働問題”こそが、日本をまぎれもなく格差社会とさせているのだ。格差社会論はこれまでも数多いが、労使関係の視点から「労働そのもの」をみつめた議論はいまだなかった。本書は、それをみつめつづけてきた著者だからこそ可能となった新しい格差社会論であると同時に、労働研究の到達点から語られる“日本の労働”入門でもある。

出版社からのコメント

いま働く人びとが抱えざるをえない<しんどさ>とはどのような
ものなのか----<日本の労働>入門
「ふつうに働くひとびと」をみつめつづけてきた著者が,今の日本を「格差社
会」にしている決定的な要因としての労働の状況を,多方面から検証する.急速
に進む雇用の多様化といった,働くことをめぐる変化をどう考えればよいのか.
これまでの格差論議には抜け落ちていた視角から語られる,現状分析と格差是正
への道行き.

登録情報

  • 単行本: 260ページ
  • 出版社: 岩波書店 (2007/6/26)
  • ISBN-10: 4000224786
  • ISBN-13: 978-4000224789
  • 発売日: 2007/6/26
  • 商品の寸法: 18.8 x 13 x 2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.8  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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24 人中、24人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 労使関係の果たす役割, 2007/10/16
レビュー対象商品: 格差社会ニッポンで働くということ―雇用と労働のゆくえをみつめて (単行本)
労働の視点から格差をとらえる。ここでの「格差社会」の定義は明確ではないが、再分配後の所得格差だけでなく、それと不可分な働き方そのものの格差が生涯にわたって固定されることを問題視。

特に雇用形態による格差(=非正規労働者の問題)について、先進各国の事例が紹介され、フルタイム正社員という身分かそうでないかで所得も社会保障も大きく異なる日本の労務体系が非合理的だと説明される。雇用形態や企業の違いに関わらず職務別に賃金のベースが決まっているドイツの例などは説得力がある。ただし、これを可能にしているのは業種別に横断的な労働組合が企業と協約を結んでいるからで、本書で一貫して強調されている労使関係の重要性を示唆している。

著者の論点のユニークさは、労使関係に目を向けることで労働格差とも言える上記のような問題解決が図れるのではないか、という仮説である。特に、ノンエリート社員や非正規労働者を中心とする企業横断型の労働組合運動が、ペイ・エクイティ(同一価値労働同一賃金)の実現やセーフティネットの充実を通じて格差を緩和させることに期待している。その点で、これまでの日本型労使関係の中心であった企業別組合には批判的。
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4 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 日本がアメリカ並みの格差社会であるということと、その問題の要因がよく書かれています, 2009/9/9
レビュー対象商品: 格差社会ニッポンで働くということ―雇用と労働のゆくえをみつめて (単行本)
 今、派遣切りなどが社会問題として、失業が政治の課題としてクローズアップされている中で、日本社会が貧困率14%でアメリカについで抜きん出た世界第2位の格差社会であることがさまざまなデータで明確にされています。さらに企業の人事政策、賃金体系、非正規雇用の拡大、セーフティーネットの貧弱さの現状と問題の要因が雇用形態論と労使関係論を軸に分かりやすく広範囲に述べられています。格差社会と日本の貧困問題を考える参考書としては分かりやすく良い本だと思います。ただ、経済のグローバル化という名のもとに、なぜ日本が新自由主義に進んだか(中曽根さんや小泉さん路線を許したか)またそれに変わる所得再分配を重視した福祉社会にどううやったら変われるかの展望と長期的な方策があまり語られていないのが残念で4/5ポイントとしました。
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2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 働く”しんどさ”の分析, 2011/7/16
レビュー対象商品: 格差社会ニッポンで働くということ―雇用と労働のゆくえをみつめて (単行本)
本書はタイトル通り、「格差社会ニッポンで働く」とはどういうことなのを、労使関係を主軸に据えながら解説している。

日本での働き方には、様々な形の格差が存在している。
企業間格差、雇用形態による格差、官民格差、性別による格差…
国家間の格差や南北問題が叫ばれる現在、日本国内においてもこれほどの格差が存在しているのだ。
もちろんその中には「然るべき差」とそうでないものが入り混じっているが、それらが全て「機会平等故の自己責任」論の元に正当化されてしまうことに警鐘を鳴らしている。

さらに、比較的恵まれた層とそうでない層それぞれが持つ働くことの”しんどさ”を概観したのちに、そうしたものがなぜ生まれてきたのかを分析している。
それは戦後日本の労使関係の特殊性であり、賃金体系の特異性だと筆者は主張する。同一職務でも異なる賃金、そして個人別の査定、企業別組合…それらが個人間・企業間の激しいコスト削減競争を引き起こし、労働条件の悪化を助長しているというのだ。
そして、ヨーロッパ型の産別組合体制、職務給体系による同一労働同一賃金の実現によってそれらをある程度抑えていくという方向性を示している。

これまでと異なる労使関係の形態を日本に持ち込む困難はあるものの、既に欧州である程度実現されているものを参考にすることによって実現への方針が定めやすくなるだろう。
筆者の洞察の深さと、今後の日本の将来に対し一縷の希望を繋ごうとする姿勢に好感が持てた。
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