近年、言論人としても各所方面で活動している「六本木で働いていた元社長」堀江貴文。
「格差の上をねたんでメリットはあるのか?」なるほど彼らしい物言いだが、本書はそんな彼が巷で騒がれる各種格差をとりあげ、その「幻想」を暴くという内容。
各論あるが、格差についての氏の大本の主張は、(1)格差があるから頑張れるという面もあり、また(2)格差を気にしない「俺ルール」を模索するという方法もある。だから結局、(3)格差はあるがそれが即「格差問題」ととらえるのはおかしい、ということだ。
そういった主張を元に、賃金格差に世代間格差、はたまた教育格差から地方格差まで、幅広く「格差」を扱っている。ここ最近に話題になっているベーシックインカムや、さらに深刻化するだろう年金問題、道州制の特に九州に対するある“施策”、さらには教育現場におけるフレキシビリティなど、“大胆ときどき傲慢な“アイデアが盛りだくさんだ。詳しくは本書を手に取ってみてほしい。
だが後半、とくに結婚格差、男女格差、そして彼自身も最大の問題と前置きしている恋愛格差という段になっては、とたんに歯切れが悪ってくる。就労における男女格差の問題にしろ、自分の周りではなかったという経験レベルの話では、到底男女格差の「幻想」をぶっ壊したことにならないだろう。さらに、恋愛格差についてはもっと厳しい。基本的に彼が非モテたちに諭すのは、自信を持つことと、コミュニケーション力をつけることのみなのだ。
ん?非モテ方面からの大合唱が聞こえる!?「それがデキたらやってるよ!!」
そこまで既成概念やら固定観念やらを威勢よくぶっ壊してきたはずの彼だが、ことに恋愛に関しては下手なマニュアル本すら今どき吐かないような「既成概念」だ。これならベーシックインカムと同様に、国民一人一体ずつダッチワイフを配れとか、それくらい突飛なことを言った方がいいと思う。誰も乗らないと思うけど。