・ 「債券格付けは長期的な視点を重視し、長期にわたる債務返済の原資を見極めるために、収益力やキャッシュフローの安定性を重視し、資産内容の健全性を重んじる」と、利益成長性が重視される株式の評価との違いが説明される。
・ 「減価償却の方法、棚卸資産の評価、キャッシュフロー(税引き後利益-配当・役員賞与+減価償却費)に注目」(P.127)、「Aという符号ならどの業種でも、外国の企業でも同じ信用力でなければならない」(P.132)、「債券格付けで重視するのはROA。資産が有効活用されて一定の利益を生み出していれば、債券などの利払いに支障をきたす可能性が小さいから」(P.134)、「情報開示が不十分な債務は年金、先物、オプション、スワップ」(P.144)、など具体的な手順や見方が説明されている。
・ 日本の11業種(建設、化学、鉄鋼、電機、自動車、総合商社、小売業、銀行、生損保、不動産、電力・都市ガス)と証券化商品の見方が説明されている。本書は1998年11月に出版されたもので現在の状況と当てはまらないものもあるが、まずまず参考になる。例えば、大手小売業では単位売り場面積当り売上高、従業員一人当たり売上高、販売・物流のシステム対応・効率化、品揃え、顧客満足度の高い提案力に注目すべき、との点は今でもそうだろう。