本文587ページ、あとがき&謝辞でプラス30ページ、注釈と索引で40ページ、更に未公開物を
含む写真が20ページ……と重量級の一冊。
しかし、それに見合ったものを提供してくれる一冊でもあります。キューバ危機の通説
(例:10/24に米軍艦艇とソ連艦艇がカリブ海でにらみ合っていた、という話。資料を紐解いて
いくと、実際には起きていなかった)を、著者自身が情報公開を請求し今回明らかになった
事実や、また当事者へのインタビューを元に、それが事実でなかったことを証明しています。
・フルシチョフは当初から10/23時点で、アメリカと事を構える気はなかった。
・ケネディもその気は無かったが、かと言ってどう対応するかにも悩んでいた。
・そうこうする内に、情報の伝達が遅れた為(酷い時には半日遅れていた)、双方相手の意図が
読めなくなった。
・その為、何も出来ず。それがまた、次の予定外の事態を引き起こしてしまう、という悪循環に。
・米軍とソ連軍の詳細な動き。
・ケネディとフルシチョフは核戦争を避けた方が、カストロは国より尊厳を優先していたので
何かあれば発射することをフルシチョフに求めた。
・何も出来ない間に起きた、やっかいなことの詳細。
(U2偵察機がキューバ上空で撃墜され、また同じころにソ連領空へ侵入していた)
・ケネディとフルシチョフがどうやってこの事態を手仕舞ったのか?
(結果的にアメリカはトルコと言うカード、ソ連はキューバと言うカードを切った形に)
……といったことを時系列順に構成。且つ、それぞれの立場で成したこと、成さなかった
ことを描いた、言わば人間ドラマとして編み上げています。
表題の通り、第2次世界大戦後、世界が核戦争に最も近づいたとき、当事者間では何が起きて
いたのか?を知ることが出来る一冊です。興味がある方の期待は裏切らないと思います。